2017/12/12
待ったなし!サイバー攻撃対応の手法
経済産業省と総務省は11日、「IoTセキュリティワーキンググループ(WG)」の第1回会合を開催。両省の関係者、有識者のほか通信やシステムといった業界関係者が出席した。あらゆるものがインターネットにつながるIoTの安全性向上へ、2016年に両省でまとめた「IoTセキュリティガイドラインver1.0」の普及啓発のほか、機器の認証制度など具体的な対策を実装していく。
IHS Technologyの推定では 2016年度時点でのIoT機器は173.3億個。2021年度には2倍強の348.7億個にまで増加する見通し。一方でIoT機器の安全対策は難しく、ウェブカメラやルーターといった機器がウィルスに侵されDDoS攻撃の踏み台になるケースなども増えており、セキュリティ対策は喫緊の課題となっている。
2016年のIoTセキュリティガイドラインでは、リスクを認識し守るべきものを守れる設計やセキュアな接続や初期設定への注意などネットワーク上の対策といったことを指針としてまとめた。また総務省は10月、「IoTセキュリティ総合対策」を公表。機器への認証制度導入や脆弱性調査の徹底、情報開示と共有の推進などが盛り込まれた。
WGでは欧米を中心に海外の動向も踏まえ、具体的な安全性の向上や国際的な相互承認の仕組み構築をまとめていく。安全性の向上では機器認証制度のほか、防衛や自動車、スマートホームといったサプライチェーンごとに対策を強化。サプライチェーン経由で感染が拡大するといった事態を防ぐ。
この日は経産省から日本は情報セキュリティの意思決定に経営層がかかわるのが米国の3分の2程度にとどまるほか、CSIRTの設置が米国の半分以下、欧州の3分の2程度にとどまることが指摘された。経営者への注意喚起やサイバーセキュリティの投資を呼びかける。
■関連記事「総務省、機器認証制度などIoT総合対策」
http://www.risktaisaku.com/articles/-/3840
(了)
リスク対策.com:斯波 祐介
待ったなし!サイバー攻撃対応の手法の他の記事
おすすめ記事
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2024/12/05
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2024/12/03
-
パリ2024のテロ対策期間中の計画を阻止した点では成功
2024年最大のイベントだったパリオリンピック。ロシアのウクライナ侵略や激化する中東情勢など、世界的に不安定な時期での開催だった。パリ大会のテロ対策は成功だったのか、危機管理が専門で日本大学危機管理学部教授である福田充氏とともにパリオリンピックを振り返った。
2024/11/29
-
-
-
なぜ製品・サービスの根幹に関わる不正が相次ぐのか?
企業不正が後を絶たない。特に自動車業界が目立つ。燃費や排ガス検査に関連する不正は、2016年以降だけでも三菱自動車とスズキ、SUBARU、日産、マツダで発覚。2023年のダイハツに続き、今年の6月からのトヨタ、マツダ、ホンダ、スズキの認証不正が明らかになった。なぜ、企業は不正を犯すのか。経営学が専門の立命館大学准教授の中原翔氏に聞いた。
2024/11/20
-
-
ランサム攻撃訓練の高度化でBCPを磨き上げる
大手生命保険会社の明治安田生命保険は、全社的サイバー訓練を強化・定期実施しています。ランサムウェア攻撃で引き起こされるシチュエーションを想定して課題を洗い出し、継続的な改善を行ってセキュリティー対策とBCPをブラッシュアップ。システムとネットワークが止まっても重要業務を継続できる態勢と仕組みの構築を目指します。
2024/11/17
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方