帯状疱疹は体の左右半分にのみ症状が出る(出典:Shutterstock.com)

II.帯状疱疹

水痘に罹患した後、水痘帯状疱疹ウイルスは一生涯遺伝子の形で知覚神経節に潜伏し、加齢や種々のストレス、免疫力が低下した時などに体内で再活性化を起こし、潜伏感染している神経節から神経束を傷害しながら前駆痛を伴って下降し、身体の片側の皮膚の文節知覚帯に帯状の疱疹を生じます。1年間に約60万人の発症があるといわれ、80歳までに3人に1人が帯状疱疹を経験すると推定されています。また、最近特に免疫力の低下がないと思われる比較的若年者にも帯状疱疹が発症することが、以前より多くなっているともいわれています。

1. 帯状疱疹病の特徴

症状 
発疹は体幹部、頭頚部に多く、神経の走行に沿って身体の片側のみにみられることが大きな特徴です。初期は皮膚がぴりぴりするような痛みがあり、1週間程度すると赤みや水疱などの皮膚症状が片側の神経に沿って帯状に現れます。皮疹は疼痛を伴いますが、痛みは個人差があり、軽い場合から夜眠れないほどの痛みになることもあります。顔面に生じた場合、角膜炎や結膜炎をおこしたり、顔面神経まひや難聴などを伴うこともあります。2〜3週間で皮疹は治りますが、その後も痛みだけが続くことがあります。皮膚症状が治まった後も長期間にわたって痛みが残るものを、帯状疱疹後神経痛といっています。

感染経路、感染力
帯状疱疹は、元々自分の体内に潜伏しているウイルスが再活性化して起こる病気で、新たに感染して症状が起こる病気ではありません。帯状疱疹は水痘よりは感染力が低いですが、発疹出現3日前からだ液中にウイルスが排せつされるため、水痘に未感染の人では空気感染や帯状疱疹患者の皮疹に接することで水痘にかかることがあります。皮疹は感染防止のためにカバーすることが原則となっています。帯状疱疹患者の免疫不全の有無によって、また全身性に拡大するいわゆる播種性かどうかで、他者への感染力は異なります。

2.予防

帯状疱疹の予防は水痘ワクチン接種が有効です。このワクチンは水痘ワクチンと同じものです。予防接種は帯状疱疹を完全に抑えるものではありませんが、発症しても軽症で経過するといわれています。ただし、対象は50歳以上とされています。

3.感染した場合の対策・治療

帯状疱疹に罹患した場合、CDCのガイドラインでは健常な人であれば、皮疹が痂皮化するまで病巣部位をカバーして登校、出勤していいことになっていますが、病巣が限局していても未感染者への接触は禁止、免疫不全がある人は患者の発疹が全て痂皮化するまで患者との接触を制限、未感染者が帯状疱疹患者に接触した場合は、接触後10〜21日は患者への接触を禁止するようにとされています。帯状疱疹の治療は、水痘の治療と同じようにアシクロビルやバラシクロビルの内服で、軽症の場合はビダラビン軟膏の塗布を行います。痛みが強い場合は、鎮痛剤を投与することもあります。痛みが強い場合は急性期に鎮痛剤をきちんと使用した方が、帯状疱疹後神経痛を防げるということもいわれています。また、疼痛が強い場合は、治療として神経ブロックを行うこともあります。

(了)