-->

これらの情報をまとめる上での注意点は、①現実離れにならないようにする、②時間の経過とともに被害状況が把握できるようにする、③実施する行動を導く情報を与える―などです。また、「共通に付与する基本的な情報」「訓練目的に応じて選択した対策項目に関する情報」「難易度に応じて加える情報」などを考慮しておくことも重要です(図8)。 

付与情報の内容は、「付与先」「発信元」「伝達手段」「付与時刻」「付与内容」のような情報で構成します。


4.BCP訓練実施の準備 
訓練を行う前は、訓練対象者にスケジュールを通知し、訓練に必要な環境(部屋や機器等)を準備します。例えば、時間がわかりやすく示せるような模擬時計や、災害対応で実際に使う地図、被害状況を書き込むホワイトボード、対応を書き込む模造紙や付箋紙、マジック、電話、安否確認の端末などです。また誰が進行役をするのか、情報を付与するのか、問い合わせに答えるのかなど役割を明確にしておくことも重要です。

5.BCP訓練の実施 
訓練の実施は、進行役を中心にルールを説明してから実施します。図上訓練の場合、各部門や各支社の参加者を部屋ごとに分離させたり、シナリオ付与の際、実際の被災映像を見せることも効果的です。訓練項目は一度にすべて通して実施しなくても、例えば発災から1時間で一度区切り、次に1時間から6時間、というように間に休憩を入れながら実施してもよいでしょう。 

情報付与のタイミングなども注意が必要です。情報の付与時には口頭の指示だけではなく、情報カードでやりとりをすることも有効です(図9)。


6.BCP訓練の評価、報告、フィードバック 
BCP訓練の評価のポイントは、①訓練の目的や目標の達成状況(全体評価)、②BCP関連文書の記載内容の妥当性(マニュアル面の評価)、③役割の遂行度(企画側の評価)、④行動の妥当性(参加者の評価)などがあります。④の行動の妥当性については、情報の取り扱い、情報の整理・分析、情報の伝達・開示、付与された状況への対応、などを評価します。