DX推進と事業継続を支えるセキュリティーの考え方
ニューノーマル時代に適したゼロトラストセキュリティー
株式会社日立ソリューションズ/
セキュリティエバンジェリスト
扇 健一
扇 健一
クロスインダストリソリューション事業部 セキュリティソリューション本部 セキュリティマーケティング推進部 部長。1996年よりセキュリティ関連の研究開発およびインフラ構築業務を経て、情報漏洩防⽌ソリューション「秘⽂」の開発や拡販業務に従事。その後、セキュリティソリューション全般の拡販業務に従事し現在に至る。また、並行して特定非営利活動法人 日本ネットワークセキュリティ協会(JNSA)でのセキュリティ分野における社会貢献や早稲⽥大学グローバルエデュケーションセンター非常勤講師として活動を行う。
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近年、地震や豪雨、台風など、われわれの生活や経済に大きなダメージを与える事象が立て続けに発生している。数十年前はこれほどまでにインパクトのある事象が連続して起きていただろうか。経済が発展し、技術が進化し、温暖化が進み、それらがさまざまな災害につながっているように思える。あまりにも災害が多いため、わが家でも食料・飲料・懐中電灯・救急箱などの一般的な災害対策グッズに加え、耐火金庫、ポータブル冷凍冷蔵庫、蓄電池まで装備するようになった。
組織においてはどうだろうか? 近年の災害を教訓に、食料・飲料などの備蓄を増やしたり、火災・水災などを想定して防炎・防火・防水用品の設置を強化したりと対策をされてきたのではないだろうか。
ただ、新型コロナウイルスのまん延は、今までの生活様式を根底から覆すほどのインパクトを与えた。いわゆるニューノーマル時代の到来である。感染拡大防止のため、さまざまな備蓄や設備を強化してきた組織の建屋に人が集まることを避け、テレワークを推奨する企業も増えるなど、業務環境は大きく変わった。一方で、セキュリティー対策は従来のままという企業も多いのではないだろうか。これまでの連載でも記してきたが、テレワーク環境での業務にはテレワークならではの新たなセキュリティー課題が生まれている。
・テレワークおよびクラウドサービス利用環境でのサイバー攻撃リスク
・テレワークおよびクラウドサービス利用環境での情報漏えいリスク
・テレワーク環境におけるVPN(仮想プライベートネットワーク)回線の負荷
急きょ導入が決まったテレワークへの対応、クラウドサービス利用時の対応、日々進化するサイバー攻撃やマルウェアへの対応と、次から次に必要となる対策をモグラたたきのように行い、多くの組織のIT部門は疲弊しているのではないだろうか。
今回は、このようなさまざまな課題の解決に有効な新しいセキュリティーの考え方、ゼロトラストセキュリティーについて紹介する。