2017/01/17
誌面情報 vol47

阪神・淡路大震災を乗り越えた経営者たち。オーラルヒストリーからは、当時の企業経営者がいかに困難を乗り越えたか、どう意思決定したかを読み取ることができる。ノーリツの創業者で、現名誉会長の太田俊郎氏は、震災で大変な状況の中、翌日東京で開催された全国の代理店会に駆けつけ、会社の存続を悲観する代理店に「つぶれない」と言い切って神戸に帰ってきた。甲南大学を運営する甲南学園の理事長だった小川守正氏は、私学の任務が授業を継続することにあるとし、仮設校舎を建設し授業を早期に再開させるとともに、被害状況と学園の財政、将来性などを考慮して再建のための投資を決断した。
ポートピアホテルの社長だった中内力氏は、世界中からの宿泊客を3日間で帰宅させ、宿泊場所の無い多くのメディア関係者に部屋を提供した。さらに、「お客さんに来てもらうということ以外にホテルの復興は無い」と、震災後、コンベンションセンターの建設を決めた。何のために企業が存在するのか、震災時における企業の責務とは何か?それぞれの経営者がそんな原点に立ち返って復興の道を切り開いてきた。
編集部注:本稿は「リスク対策.com」本誌2015年1月25日号(Vol.47)掲載の記事を、Web記事として再掲したものです。役職などは掲載当時のままです。(2017年1月17日)
京都大学防災研究所の林春男教授がリーダーとなってインタビューした経営者のうち、現在、人と防災未来センター(神戸市)で公開されているインタビュー5本を抜粋して紹介する。
誌面情報 vol47の他の記事
- 「阪神・淡路大震災 経営者の証言から読み取るBCMの本質」(巻頭インタビュー 京都大学防災研究所教授(現・防災科学技術研究所理事長)林春男氏)
- Oral History 阪神・淡路大震災 経営者の証言から読み取るBCMの本質 (前編)
- Oral History 阪神・淡路大震災 経営者の証言から読み取るBCMの本質 (後編)
- 特集1 爆速経営を妨げない ヤフーのリスクマネジメント
- ERM本質と手法 企業の成長を妨げるリスクを取り除く
おすすめ記事
-
非常時に目標と道筋を示すことが危機管理担当者の役割
非常事態に中心的な役割を求められるのが危機管理担当者だが、求められる能力は何か。また、平時に はどのように備えればよいのだろうか。岩手大学で防災危機管理に係る人材育成に取り組んできた越野 修三・同大学客員教授は、危機管理担当者に求められるのは、非常時に際して「少ない情報から状況判断 して、目標は何なのか道筋を示すこと」だと語る。
2021/04/05
-
緊急事態宣言解除後も出勤者は変わらず
リスク対策.comが、1都3県の緊急事態宣言が解除された翌22日から行った簡易アンケート調査によると、「緊急事態宣言解除後、出社率は変わりましたか?」との問いに対し、「変わらない」との回答が60%で、微増が37%になった。アンケートは、メールマガジン読者らに対して配信し、翌日までに45の回答を得た。
2021/03/28
-
3.11から10年、日本の危機管理はどこまで向上したか?【アーカイブ配信】
2021年3月25日(木)に開催したオンラインセミナーのアーカイブ配信です。
2021/03/27