2017/01/17
誌面情報 vol47
![](https://risk.ismcdn.jp/mwimgs/c/3/670m/img_c3208fdbc3a02721cec578db69687e60164478.jpg)
阪神・淡路大震災を乗り越えた経営者たち。オーラルヒストリーからは、当時の企業経営者がいかに困難を乗り越えたか、どう意思決定したかを読み取ることができる。ノーリツの創業者で、現名誉会長の太田俊郎氏は、震災で大変な状況の中、翌日東京で開催された全国の代理店会に駆けつけ、会社の存続を悲観する代理店に「つぶれない」と言い切って神戸に帰ってきた。甲南大学を運営する甲南学園の理事長だった小川守正氏は、私学の任務が授業を継続することにあるとし、仮設校舎を建設し授業を早期に再開させるとともに、被害状況と学園の財政、将来性などを考慮して再建のための投資を決断した。
ポートピアホテルの社長だった中内力氏は、世界中からの宿泊客を3日間で帰宅させ、宿泊場所の無い多くのメディア関係者に部屋を提供した。さらに、「お客さんに来てもらうということ以外にホテルの復興は無い」と、震災後、コンベンションセンターの建設を決めた。何のために企業が存在するのか、震災時における企業の責務とは何か?それぞれの経営者がそんな原点に立ち返って復興の道を切り開いてきた。
編集部注:本稿は「リスク対策.com」本誌2015年1月25日号(Vol.47)掲載の記事を、Web記事として再掲したものです。役職などは掲載当時のままです。(2017年1月17日)
京都大学防災研究所の林春男教授がリーダーとなってインタビューした経営者のうち、現在、人と防災未来センター(神戸市)で公開されているインタビュー5本を抜粋して紹介する。
誌面情報 vol47の他の記事
- 「阪神・淡路大震災 経営者の証言から読み取るBCMの本質」(巻頭インタビュー 京都大学防災研究所教授(現・防災科学技術研究所理事長)林春男氏)
- Oral History 阪神・淡路大震災 経営者の証言から読み取るBCMの本質 (前編)
- Oral History 阪神・淡路大震災 経営者の証言から読み取るBCMの本質 (後編)
- 特集1 爆速経営を妨げない ヤフーのリスクマネジメント
- ERM本質と手法 企業の成長を妨げるリスクを取り除く
おすすめ記事
-
-
-
3線モデルで浸透するリスクマネジメントコンプライアンス・ハンドブックで従業員意識も高まる【徹底解説】パーソルグループのERM
「はたらいて、笑おう。」をグループビジョンとして掲げ、総合人材サービス事業を展開するパーソルグループでは、2020年のグループ経営体制の刷新を契機にリスクマネジメント活動を強化している。ISO31000やCOSO-ERMを参考にしながら、独自にリスクマネジメントの体制を整備。現場の業務執行部門(第1線)、ITや人事など管理部門(第2線)、内部監査部門(第3線)でリスクマネジメントを推進する3線モデルを確立した。実際にリスクマネジメント活動で使っているテンプレートとともに、同社の活動を紹介する。
2024/07/23
-
インシデントの第一報を迅速共有システム化で迷い払拭
変圧器やリアクタなどの電子部品や電子化学材料を製造・販売するタムラ製作所は、インシデントの報告システム「アラームエスカレーション」を整備し、素早い情報の伝達、収集、共有に努めている。2006年、当時社長だった田村直樹氏がリードして動き出した取り組み。CSRの一環でスタートした。
2024/07/23
-
「お困りごと」の傾聴からはじまるサプライヤーBCM支援
ブレーキシステムの開発、製造を手掛けるアドヴィックスは、サプライヤーを訪ね、丁寧に話しを聞くことからはじまる「BCM寄り添い活動」を2022年度から展開している。支援するのは小規模で経営体力が限られるサプライヤー。「本当に意味のある取り組みは何か」を考えながら進めている。
2024/07/22
-
-
危機管理担当者が知っておくべきハラスメントの動向業務上の指導とパワハラの違いを知る
5月17日に厚生労働省から発表された「職場のハラスメントに関する実態調査報告書」によると、従業員がパワハラやセクハラを受けていると認識した後の勤務先の対応として、パワハラでは約53%、セクハラでは約43%が「特に何もしなかった」と回答。相談された企業の対応に疑問を投げかける結果となった。企業の危機管理担当者も知っておくべきハラスメントのポイントについて、旬報法律事務所の新村響子弁護士に聞いた。
2024/07/18
-
基本解説 Q&A 線状降水帯とは何か?集中豪雨の3分の2を占める日本特有の現象
6月21日、気象庁が今年初の線状降水帯の発生を発表した。短時間で大量の激しい雨を降らせる線状降水帯は、土砂災害発生を経て、被害を甚大化させる。気象庁では今シーズンから、半日前の発生予測のエリアを細分化し、対応を促す。線状降水帯研究の第一人者である気象庁気象研究所の加藤輝之氏に、研究の最前線を聞いた。
2024/07/17
-
-
災害リスクへの対策が後回しになっている円滑なコミュニケーション対策を
目を向けるべきOTリスクは情報セキュリティーのほかにもさまざま。故障や不具合といった往年のリスクへの対策も万全ではない。特に、災害時の素早い復旧に向けた備えなどは後回しになっているという。ガートナージャパン・リサーチ&アドバイザリ部門の山本琢磨氏に、OTの課題を聞いた。
2024/07/16
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方