ウクライナのマリャル国防次官は14日、ロシア軍に対する反転攻勢でウクライナ軍が「極めて激しい戦闘」の中、わずかに前進したと明らかにした。通信アプリへの投稿で、作戦が「一部成功した」との見方を示した。ロイター通信などが報じた。
 マリャル氏は、過去24時間でウクライナ軍が東部バフムト方面の複数の地点で200~500メートル前進し、南部ザポロジエ方面でも300~350メートル前進したと説明した。ロシアのプーチン大統領はマリャル氏の投稿に先立つ13日、ロシア軍はウクライナ軍に「壊滅的」損害を与えていると主張していた。
 北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長も14日の記者会見で、「ウクライナ側が前進し、より多くの土地を解放していることは確かだ」と指摘。ウクライナ軍の成果は将来の交渉に有利に働くと述べた。
 ウクライナからの報道によると、各地で13日夜から14日未明にかけてロシアによるミサイル攻撃が相次いだ。南部オデッサでは小売店の倉庫で火災が起き、3人が死亡。このほかに東部クラマトルスクなどでも計3人が死亡した。
 一方、ザポロジエ州の親ロシア派幹部は13日、ロシアの第35軍参謀長セルゲイ・ゴリャチェフ少将(52)が同州の前線で12日に死亡したと明らかにした。ゴリャチェフ氏は第2次チェチェン紛争で部隊を指揮するなどしたという。 
〔写真説明〕14日、ウクライナ東部クラマトルスクの破壊された住宅で立ち尽くす住民(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)