2023/07/10
防災・危機管理ニュース
【ワルシャワ時事】ロシアの侵攻を受けるウクライナは「国土の3分の1以上」(ウクライナ政府)が地雷や不発弾の眠る危険地帯と化した。ロシア軍から解放した土地の復興を進める上で欠かせない地雷の除去に、日本政府と国際協力機構(JICA)の供与した探知機が一役買おうとしている。ポーランドのワルシャワ近郊で行われた研修の様子が7日、報道陣に公開された。
ピー、ピー、ピー。地面にかざされた青い円盤が左右に動くと、特定の場所で電子音が鳴った。モニター画面には円形の図像。慎重に土を取り除くと、地雷が姿を現した。研修で教官を務めるのは、同じ探知機の扱いに慣れたカンボジアの専門家だ。
日本が提供する探知機は、レーダーによって地中の物体の形状を確認できるため、地雷を判別しやすいとされる。開発した佐藤源之東北大名誉教授は「鉄くずの多い市街地でも役立つのではないか」と話した。既に4台を供与しており、年内にも数十台を追加する方針だ。
研修に参加したウクライナ非常事態庁職員のブラジスラブ・フェドルツォブさんは、日本の探知機供与で「地雷除去の加速が見込める」と期待を表明。「技術をウクライナに持ち帰り、同僚と共有したい」と迅速な復興を誓った。
同庁には地雷専門の部署が置かれ、市民からの通報を受けて除去に当たっている。別の職員は「住宅地やインフラ施設に多い。交戦があった場所では、不発弾や砲弾の破片が散らばっている」と説明。危険と隣り合わせの作業で、多数の殉職者も出ているという。
〔写真説明〕地雷探知機の説明をする東北大の佐藤源之名誉教授(左)=7日、ワルシャワ近郊
〔写真説明〕地雷探知機を使うウクライナ非常事態庁の職員=7日、ワルシャワ近郊
〔写真説明〕地雷探知機の研修に参加したウクライナ非常事態庁の職員と東北大の佐藤源之名誉教授(中央)ら=7日、ワルシャワ近郊
(ニュース提供元:時事通信社)
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