ウクライナ南部オデッサを狙った23日のロシア軍のミサイル攻撃に、ゼレンスキー政権が猛反発している。正教会の大聖堂が破壊されたほか、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界文化遺産で「黒海の真珠」と呼ばれる歴史地区の建築物が被災。トゥルハノフ市長は「われわれ(ウクライナ人)を壊すことはできない。ただ怒らせるだけだ」と非難した。
 ゼレンスキー大統領は23日夜の動画演説で「(オデッサの)ギリシャ総領事館も被害を受けた」と指摘。20日に損壊した中国総領事館に続き「ロシアのテロの影響が及んだ2番目の領事機関だ」と述べた。
 ミサイル攻撃では、港湾施設や住宅も被災し、1人が死亡、子供を含む約20人が負傷した。トゥルハノフ氏はSNSに投稿した動画で、あえてロシア語で演説し「(ロシア人は)子供たちや正教会に戦いを仕掛けている。道徳も価値観も、未来もないただの生き物だ」と指弾した。
 オデッサを管轄するウクライナ正教会の高位聖職者は、プーチン政権に協力するロシア正教会のキリル総主教宛ての公開書簡を発表。「あなたが祝福したロシアのミサイルが(救世主顕栄大聖堂の)祭壇に真っすぐ飛んできた」と訴え、両国の正教会間の断絶は決定的だと強調した。 
〔写真説明〕23日、攻撃を受けたウクライナ南部オデッサの住宅(EPA時事)
〔写真説明〕23日、ミサイル攻撃を受け、破壊されたウクライナ南部オデッサの建物(AFP時事)
〔写真説明〕23日、ミサイル攻撃を受け、破壊されたウクライナ南部オデッサの大聖堂(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)