【カイロ時事】ウクライナ南部でロシアが攻撃を強化している。ロイター通信によると、南部ヘルソン州では13日、ロシア軍の砲撃で7人が死亡した。ゼレンスキー大統領は、生後間もない乳児が12歳の兄と共に死亡したと訴え、ロシアを非難した。
 ウクライナのクリメンコ内相は「市民の殺害をテロリストが自らやめることは絶対にない」と通信アプリ「テレグラム」に投稿した。「力ずくで止めなければならない。分からせるにはそれしかない」と訴えた。
 ウクライナのメディア、ウクラインスカ・プラウダによると、南部ザポロジエ州のマラシコ知事も14日、ミサイル攻撃で70代の男女2人が死亡したとテレグラムに投稿した。13日から州内各地にドローンやミサイルによる攻撃が繰り返されたと訴えている。
 ウクライナ軍によると、14日朝までの夜間、オデッサ州にもロシア軍はドローン15機と巡航ミサイル「カリブル」8発を発射。全て撃退されたが、キペル知事は「破片が落下し、何カ所かで火災が発生した。爆風で建物の窓が吹き飛んだ」と被害の状況を説明した。軍は、学生寮の他、スーパーマーケットが被害を受け、従業員が負傷したと述べている。
 南部への攻撃が相次ぐ中、英国防省は14日、ヘルソン州のドニエプル川下流域で最近、戦闘が増えており、ロシア軍支配地の東岸にウクライナ軍が上陸し、幾つか橋頭堡(きょうとうほ)を築きつつあると分析した。この状況を受け、ロシア軍は「この東岸の部隊を増強するのか、激戦が続くウクライナ東部に増援を送るのか、ジレンマに直面している」と解説した。 
〔写真説明〕14日、ロシア軍の攻撃により炎に包まれるウクライナ南部オデッサ州のスーパーマーケット(ウクライナ当局提供)(AFP時事)
〔写真説明〕14日、ロシア軍の攻撃の結果、全焼したウクライナ南部オデッサ州のスーパーマーケット(EPA時事)

(ニュース提供元:時事通信社)