最大震度7を観測した能登半島地震について、京都大防災研究所の後藤浩之教授(地震工学)が地震の波形などを分析したところ、大きな被害が出た石川県輪島市などで1995年の阪神大震災と似た特徴の揺れが発生していたことが分かった。木造住宅などが影響を受けやすい「キラーパルス」と呼ばれる周期の地震波も観測されていた。後藤教授は今後も「同じ程度の揺れが起きる可能性がある」として注意を呼び掛けている。
 後藤教授は、1日夕の地震で被害を受けた複数の地域にある地震計のデータなどを解析。震度6強だった輪島市や珠洲市、穴水町では阪神大震災と揺れの周期や強さなどの特徴が似ていたという。
 この3市町では周期が1~2秒の「やや短周期」とされる地震波が強かった。木造住宅の揺れを増幅させる「共振現象」を引き起こすことから「キラーパルス」と呼ばれており、阪神大震災のほか、2016年の熊本地震でも観測された。
 短周期の地震波も強かったことから「建物以外にも道路や斜面の被害が大きくなったと考えられる」という。後藤教授は「場所によっては、今後余震などで同じような揺れが起きる可能性がある」との見方を示した。
 その上で、「建物に倒壊の危険かあるどうかの判断は難しい。見た目は健全に見えていたとしても、(自治体による)応急危険度判定が行われるまでは、建物への立ち入りをやめてほしい」と述べた。 
〔写真説明〕倒壊した建物に取り残された人がいないか捜索する国際救助犬エルザとハンドラーの森田康博さん=4日午後、石川県輪島市

(ニュース提供元:時事通信社)