2024/02/17
防災・危機管理ニュース
【ブリュッセル時事】オンライン上の違法コンテンツ対策をIT企業に義務付けた欧州連合(EU)の「デジタルサービス法(DSA)」の全面適用が17日、始まった。EUでSNSや通販サイトなどを展開する企業は、一部の例外を除き、事業規模に関係なく規制対象となる。違反した場合、巨額の制裁金が科される可能性がある。
DSAは2020年、「オフラインで違法なものはオンラインでも違法」との原則の下、利用者保護や偽情報の拡散防止を目的に欧州委員会が提案。22年11月に発効した。
DSAは、オンライン上のヘイトスピーチ(憎悪表現)やテロの扇動といった違法コンテンツ、偽物などの違法商品について、削除を含む対策を企業に義務付ける。未成年者を狙った広告表示も禁じる。EU域内に利用者を抱える日本企業は、対応が求められる。
EUの月間平均利用者が4500万人を超える巨大ITには追加で、リスク評価や危機対応、独立監査の実施といったルールを定めた。昨年4月、米X(旧ツイッター)や米アップル、米アマゾン・ドット・コムなどの運営する19のサービスが規制対象に指定された。
アマゾンなど2社は指定に反発。法的措置を取り欧州委と争っている。一方、欧州委は昨年10月のイスラム組織ハマスのイスラエル攻撃後、偽情報の拡散が急増したとして、複数の巨大ITに対策に関する情報提供を求める書簡を送付した。同年12月には、XがDSAに違反していないかを判断する正式な調査に入った。
EUでは今年、欧州議会選挙に加え、複数の選挙が予定されている。ブルトン欧州委員(域内市場担当)は今月7日、「選挙に対するいかなる(情報)操作も許さない」とXで強調。DSAを盾にIT企業に目を光らせる考えを改めて示した。
(ニュース提供元:時事通信社)
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