2024/07/26
防災・危機管理ニュース
【パリ時事】フランス・パリと地方都市を結ぶ高速鉄道(TGV)網が26日未明、放火などの破壊行為を受けた。複数の路線で被害が生じ、運行は朝から大混乱に陥った。パリは五輪開会式を目前に国内外から大勢の観光客らが押し寄せており、仏国鉄(SNCF)は80万人の足に影響が出ると発表した。
フランスは五輪の警備に警官・兵士ら数万人を動員。テロ阻止の厳戒態勢を敷いているが、死角を突かれる形となった。
TGVが発着するパリ市内の主要駅では、荷物を手にした旅行客らが足止めされ、ごった返した。駅員は問い合わせや苦情への対応に追われた。ダイヤの乱れは27日も続く見通しだ。
破壊行為は複数の遠隔地で確認された。線路の分岐点付近にある電気・信号設備が放火され、パリと北部リール、東部ストラスブール、南西部ボルドーなどを結ぶ3路線で運休や遅延が生じた。
捜査当局は組織的・計画的犯行とみて、五輪の妨害が狙いだったかを含め調べを進める。仏国内には五輪開催に反対する勢力が存在するが、事件との関係は不明だ。
SNCFは犯行を「悪意のある行為」だと非難。AFP通信に「(高速鉄道の)まひを狙った大規模な攻撃」だと訴えた。アタル首相はX(旧ツイッター)への投稿で「犯人を見つけて処罰する」と強調した。
〔写真説明〕26日、フランス北部クロワジルで、攻撃を受けたとみられる線路を調査する国鉄(SNCF)職員と憲兵ら(AFP時事)
〔写真説明〕26日、パリのモンパルナス駅に停車するフランス国鉄の車両
〔写真説明〕26日、パリで、フランス高速鉄道TGV網が破壊行為を受けたことに伴い、混雑するモンパルナス駅
(ニュース提供元:時事通信社)



防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
-
入居ビルの耐震性から考える初動対策退避場所への移動を踏まえたマニュアル作成
押入れ産業は、「大地震時の初動マニュアル」を完成させた。リスクの把握からスタートし、現実的かつ実践的な災害対策を模索。ビルの耐震性を踏まえて2つの避難パターンを盛り込んだ。防災備蓄品を整備し、各種訓練を実施。社内説明会を繰り返し開催し、防災意識の向上に取り組むなど着実な進展をみせている。
2025/06/13
-
「保険」の枠を超え災害対応の高度化をけん引
東京海上グループが掲げる「防災・減災ソリューション」を担う事業会社。災害対応のあらゆるフェーズと原因に一気通貫の付加価値を提供するとし、サプライチェーンリスクの可視化など、すでに複数のサービス提供を開始しています。事業スタートの背景、アプローチの特徴や強み、目指すゴールイメージを聞きました。
2025/06/11
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/06/10
-
その瞬間、あなたは動けますか? 全社を挙げた防災プロジェクトが始動
遠州鉄道株式会社総務部防災担当課長の吉澤弘典は、全社的なAI活用の模索が進む中で、社員の防災意識をより実践的かつ自分ごととして考えさせるための手段として訓練用のAIプロンプトを考案した。その効果は如何に!
2025/06/10
-
-
緊迫のカシミール軍事衝突の背景と核リスク
4月22日にインド北部のカシミール地方で起こったテロ事件を受け、インドは5月7日にパキスタン領内にあるテロリストの施設を攻撃したと発表した。パキスタン軍は報復として、インド軍の複数の軍事施設などを攻撃。双方の軍事行動は拡大した。なぜ、インドとパキスタンは軍事衝突を起こしたのか。核兵器を保有する両国の衝突で懸念されたのは核リスクの高まりだ。両国に詳しい防衛省防衛研究所の主任研究官である栗田真広氏に聞いた。
2025/06/09
-
危険国で事業展開を可能にするリスク管理
世界各国で石油、化学、発電などのプラント建設を手がける東洋エンジニアリング(千葉市美浜区、細井栄治取締役社長)。グローバルに事業を展開する同社では、従業員の安全を最優先に考え、厳格な安全管理体制を整えている。2021年、過去に従業員を失った経験から設置した海外安全対策室を発展的に解消し、危機管理室を設立。ハード、ソフト対策の両面から従業員を守るため、日夜、注力している。
2025/06/06
-
福祉施設の使命を果たすためのBCPを地域ぐるみで展開災害に強い人づくりが社会を変える
栃木県の社会福祉法人パステルは、利用者約430人の安全確保と福祉避難所としての使命、そして災害後も途切れない雇用責任を果たすため、現在BCP改革を本格的に推進している。グループホームや障害者支援施設、障害児通所支援事業所、さらには桑畑・レストラン・工房・農園などといった多機能型事業所を抱え、地域ぐるみで「働く・暮らす・つながる」を支えてきた同法人にとって、BCPは“災害に強い人づくり”を軸にした次の挑戦となっている。
2025/06/06
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方