公式SNSは複数で確認、トラブル時のマニュアルも
第7回:SNSの活用を考える
本田 茂樹
現在の三井住友海上火災保険株式会社に入社、その後、出向先であるMS&ADインターリスク総研株式会社での勤務を経て、現職。企業や組織を対象として、リスクマネジメントおよび危機管理に関するコンサルティング、執筆活動を続ける一方で、全国での講演活動も行っている。これまで、信州大学特任教授として教鞭をとるとともに、日本経済団体連合会・社会基盤強化委員会企画部会委員を務めてきた。
2025/03/14
これだけは社員に伝えておきたいリスク対策
本田 茂樹
現在の三井住友海上火災保険株式会社に入社、その後、出向先であるMS&ADインターリスク総研株式会社での勤務を経て、現職。企業や組織を対象として、リスクマネジメントおよび危機管理に関するコンサルティング、執筆活動を続ける一方で、全国での講演活動も行っている。これまで、信州大学特任教授として教鞭をとるとともに、日本経済団体連合会・社会基盤強化委員会企画部会委員を務めてきた。
企業のリスク担当責任者は、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)における不適切な投稿によって「炎上」があったという報道をどのように感じておられるでしょうか。
例えば、自社の公式SNSが炎上している場合、そして社員個人が自分のアカウントで自社の情報を投稿することによって炎上する場合などを想像して、心穏やかではいられないのではないかと思います。
今回は、SNSの活用に関するトラブル回避について考えます。
企業が自ら導入した公式SNSは、自社商品の宣伝などの情報発信が「ファン」の獲得につながることもあって、ここ数年で増えています。ところが、ひとたび炎上すると、自社のブランドイメージが傷つき、また社会的信頼を失うなどの可能性があるとともに、その事後対応に追われることもなり兼ねません。
そこで、企業のSNSを担当する社員には、自社からの発信にもリスクがあることを踏まえた上で、次のような点に留意するとよいでしょう。
自社製品やサービスの宣伝をしたいばかりに、事実に基づかない情報を流した場合には、不正競争防止法違反や名誉棄損(きそん)などの訴えを起こされる可能性があります。SNSでの何気ない発言と軽く見ると法的トラブルを引き起こし、足をすくわれる結果となります。
生成AIは対話形式で違和感なく使えることもあり、「SNSとして発信する内容の原稿」として活用する企業も増えているようです。
ただ、生成AIは膨大なデータを学習することによって、ある意味、その能力を向上させているため、そのデータの中には他の人が著作権を持つコンテンツを含んでいる可能性があります。著作権者の権利を不当に侵害するような場合は、当然のことながら著作権者の許可は得ておらず、利用できません。
また、生成AIを利用していない場合でも、インターネット上の写真などを利用するにあたっては、著作権侵害がないかどうか注意する必要があります。
自社のファンづくりのために発信を行っているのですから、読者がその内容に「不快感」や「不公平感」を感じるようなことでは、逆効果です。社会的倫理に欠ける発言や、特定の人を差別するような内容は、炎上しやすいので注意しましょう。
公式SNSですから、誤発信(いわゆる、誤爆)などあってはなりません。SNSを発信する際のルールを決めておくことが重要です。企業の公式SNSといっても、「実は担当者が一人で投稿内容を作成している」というケースもあります。内容に偏りがないか、また不適切な内容となっていないか、複数で確認することが求められます。
公式SNSは、炎上などのトラブルがないに越したことはありませんが、やはり、もしもの時に備えたマニュアルは必須です。
まず、事実確認を行い、原因を特定するとともに、事前に定めた対応方針に従って、謝罪、訂正、削除など適切な対処を進めます。もちろん、今後の公式SNSの運営方針も必要に応じて修正、そして変更することが求められます。
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