2025/03/29
防災・危機管理ニュース
【バンコク時事】大規模地震が発生したミャンマーでは29日、被災した病院の様子が伝えられ、患者が病棟の外にあふれかえっていた。隣国タイの首都バンコクで建築中の高層ビルが崩壊した現場では、不明者の家族らが救助隊の捜索を厳しい表情で見守った。
ミャンマーの独立系メディアによると、震源に近い中部マンダレーの病院では施設が被災。患者らを病棟内に収容しきれず、多数の人が外で横たわり治療を受けていた。現場にいた人は「血まみれの人がいたが、医師は何もできていなかった」と語った。
マンダレーは最大都市ヤンゴンに次ぐ第2の都市で、人口は約150万人。独立系メディアは、大学が土煙を上げながら崩落する様子や、家屋が軒並み倒壊している市街地の状況を報じた。地震発生後の28日夜には、自宅が被災して帰宅できずに野宿する人や、車で市外に出る人らもいた。
バンコクの建築中のビル崩落現場では、救助隊による救出作業が夜通し続けられた。チャチャート・バンコク都知事は「28日夜の調査では、がれきの中から15の生命反応があった。できるだけ多くの命を救うために全力を尽くす」と強調した。
タイのメディアは、生存者の証言を報道。20代の男性作業員は「地震発生時は昼食の時間だった。突然クレーンが落ちてきて、みんなに逃げるよう叫んだ。まだがれきの中に友人が閉じ込められている。人生の中で最も恐ろしい瞬間だった」と声を震わせた。
〔写真説明〕29日、ミャンマー中部マンダレーで、地震により倒壊した建物で生存者の捜索に当たる救助隊員(AFP時事)
〔写真説明〕建設中のビルが崩壊した現場の近くで、行方不明者の情報を待つ人々=29日、タイ・バンコク(AFP時事)
(ニュース提供元:時事通信社)


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