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社会課題は時空の広がりをもった複雑なシステム上で発生している。社会課題への対応は、これまで各国の政府や自治体が主導的に関与してきた領域であった。しかし、地球規模の急速な環境劣化や貧困問題などがグローバルな社会課題として共有される中、今日ではすべての社会・経済主体が協働して取り組んでゆくべき課題として認識されている。

このような社会的価値観の変化は、企業活動にも大きな影響を及ぼしており、企業が社会的価値の向上と経済的価値の向上の両立に基づき持続的成長を目指すサステナブル経営推進の背景となっている。企業の社会課題解決への取り組みは、次の4つの類型に分けることができよう。

一つ目はサービス型のアプローチである。これらの中には、地球温暖化の緩和策のために電気自動車(EV)の製造販売による脱炭素化の推進、途上国のマラリアなどの感染症対策として低価格ワクチンの提供、衛生健康問題として水系感染症を減少させるための安全な水の確保のため電気不要の家庭用浄水器の製造販売、子供の栄養不足問題への対策のためビタミンやミネラルを強化したヨーグルトの製造販売などが挙げられる。

二つ目はサプライチェーン型のアプローチである。これらの中には、企業のサプライチェーンリスク対策として、貧困層、小規模農家の所得向上を目指した支援、例えば、農家への栽培技術支援、収量・品質向上、苗木や肥料の提供などによる調達や生産の改善などが挙げられる。

三つ目はビジネスモデル型のアプローチである。これらの中には、海洋プラスチック汚染に対してプラスチックを回収して再生素材としてシューズを作ったり、社会ゴミの増大に対して廃棄物削減のためリサイクルやシェアリングを推進する循環型・共有型のサービスが挙げられる。

四つ目はアクセス拡大型のアプローチである。これらの中には、電力網が未整備のアフリカの農村に対する小型太陽光システムの分割払いによる提供、銀行口座を持たない人々に対する携帯電話での送金・決済システムの開発や小規模店舗を代理店とする金融サービスの提供など、貧困層へのサービス提供の拡大が挙げられる。