2025/03/31
防災・危機管理ニュース
政府は31日、南海トラフ巨大地震の新たな被害想定を公表した。専門家らが集まった作業部会でまとまったもので、東日本大震災と同じマグニチュード9クラスの地震が発生すると、津波や建物倒壊により最悪のケースで約29万8000人が死亡。経済的な被害・影響額は292兆2000億円に上る。国難とも言える災害だけに、官民による減災対策の強化が急務となる。
坂井学防災担当相は、作業部会から被害想定に関する報告書を受け取り、「国民のみならず企業による対策も進むよう、やれることをきっちりやっていきたい」と強調。夏ごろをめどに政府の対策推進基本計画を見直すと明らかにした。
2012~13年にまとめた前回想定で、死者は約32万3000人と見込んだ。住宅の耐震化や津波避難施設の整備が進み被害が抑えられる一方、最新の地形・地盤データを反映させたことで浸水域が拡大。死者数の減少は約2万5000人にとどまった。経済的な被害・影響額は、物価高を背景に前回の237兆2000億円から増加した。
各地の最大震度を見ると、10県149市町村で震度7の揺れに見舞われる。8都県23市町村に20メートル以上の津波が押し寄せ、静岡、三重、和歌山、徳島、高知各県では地震発生から5分以内に1メートルの高さで到達する。
〔写真説明〕南海トラフ巨大地震の被害想定について、報告書を受け取る坂井学防災担当相(右)=31日午前、東京都千代田区
(ニュース提供元:時事通信社)

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