2025/05/20
防災・危機管理ニュース
【パリ時事】世界保健機関(WHO)は20日、スイス・ジュネーブで開催中の年次総会で、将来の感染症のパンデミック(世界的大流行)対策を定めた「パンデミック条約」を採択した。新型コロナウイルス禍を教訓に、締約国は感染の早期封じ込めや保健医療体制の拡充、国際協調を通じた公平なワクチン確保を進める。
コロナウイルスの猛威が世界を一変させてから5年余り。失敗を重ねた感染症対策は、国際条約の採択という大きな節目を迎えた。
テドロスWHO事務局長はSNSに「世界の保健の歴史に残る瞬間だ。共に力を合わせていこう」と投稿。トランプ米大統領に代表される孤立主義が勢いづく中、地球規模の課題に多国で立ち向かう姿勢を誇示した。
条約は採択されたが、国際協調の詳しい仕組みは今後の交渉で決まる。細部が肉付けされ、各国の署名が始まるのは2026年以降。発効には60カ国の批准が必要だ。
条約は、締約国がパンデミックの「予防、備え、対応」を強化すると規定。先進国がワクチンを囲い込み、途上国で不足したコロナ禍の事態を繰り返さないよう、技術・資金に乏しい途上国を医薬品の研究開発や技術移転、製造、供給などで支えていくとうたった。
具体的には、製薬企業が新薬開発に必要な病原体情報の提供を受ける引き換えに、緊急事態下で生産した医薬品の最低10%をWHOに無償供与し、途上国へ分配。供給網の整備や途上国の資金調達支援でも、国際協調の枠組みを設けた。
〔写真説明〕20日、スイス・ジュネーブで開催中の世界保健機関(WHO)の年次総会で、パンデミック条約が採択され拍手するテドロス事務局長(EPA時事)
(ニュース提供元:時事通信社)

防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2026/04/07
-
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2026/04/05
-
-
-
ドンロー主義の顕在化に揺れる世界
アメリカとイスラエルが2月28日、イランへ大規模な軍事作戦を開始。イランは徹底抗戦する構えで、中東全体を巻き込む紛争に発展しました。早期停戦が待たれるも、長期化の可能性も依然濃厚。アメリカ政治に詳しい上智大学教授の前嶋和弘氏に、トランプ政権の思惑と今後の軍事行動に影響を与える要因を聞きました。(インタビューは3月16日)
2026/03/30
-
引き合い急増する「セキュリティソムリエ」
ソフトバンクのグループ企業でIT商社のSB C&Sは2021年から、サイバーセキュリティ市場の多様化に対応するため販売パートナーへの支援活動を展開。商社の情報力・目利き力を生かしてSIerやベンダーの提案力を補強し、その先のユーザー企業へ最適なソリューションを届けています。「セキュリティソムリエ」と銘打った活動のねらいを聞きました。
2026/03/30
-
-
-






※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方