2025/11/16
防災・危機管理ニュース
人手不足がさまざまな業界で深刻化し、働く高齢者が増加する中、高齢者の労働災害を予防する商品の投入が相次ぐ。60歳以上の労災死傷者数は直近20年間で倍増しており、特に高齢者に多い転倒事故を防止するため、専用の靴や足の健康管理サービスなどが続々と開発されている。
ミズノは10月、小売業などで働く女性向けに、転倒予防スニーカーを発売した。加齢などで足が上がりにくくなった人が、地面につまずくリスクを低減。つま先の先端部分を高く設計したのが特長で、「つまずきのメカニズムを一から研究した」(広報)という。
繊維製品の製造販売を手掛ける帝健(大阪市)は、足の甲側を固く、裏側を緩く編み、履くと自然につま先が上がる靴下を開発した。足を保護する頑丈な安全靴を履いても効果があるといい、製品担当者は「建設業界など高齢化する作業現場の安全に貢献したい」と話す。
厚生労働省によると、2024年の60歳以上の労災死傷者は4万654人。04年(1万9809人)から倍増している。事故の種類を見ると「転倒による骨折など」が加齢に応じて増加する傾向にあり、特に60歳以上の女性の場合、20代に比べ20倍転倒でけがをしやすい。
足の健康管理サービスを提供するNarrativeFoot(ナラティブフット、東京)は9月、ウェブ上で足の悩みを相談し、助言を受けられるサービスを複数の大手企業に提供し始めた。運営責任者で転倒予防指導士の資格を持つ我妻誠一氏は、寄せられた相談について「足の指が地面をしっかりつかめなくなってきているケースが多い」と分析。予防グッズと合わせ、足指を動かす体操などで日頃からケアに努めるよう呼び掛けている。
〔写真説明〕ミズノが小売業などで働く女性向けに発売した転倒予防スニーカー(同社提供)
〔写真説明〕帝健(大阪市)が開発した転倒予防になる靴下=9月10日、大阪市のインテックス大阪
(ニュース提供元:時事通信社)


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