【イスタンブール、ワシントン時事】イランの新しい最高指導者モジタバ・ハメネイ師は12日、就任後初の声明を発表し、軍事作戦で父親の前最高指導者アリ・ハメネイ師を殺害した米国とイスラエルに対し、「殉教者たちが流した血への復讐(ふくしゅう)を諦めない」と徹底抗戦を誓った。イランが事実上封鎖して船舶通航を妨害している原油輸送の要衝ホルムズ海峡については「封鎖の手段は使い続けなければならない」と表明した。国営メディアが伝えた。
 モジタバ師の声明は国営テレビでアナウンサーに代読され、本人は姿を見せなかった。米メディアなどによると、モジタバ師は米イスラエルによる対イラン攻撃初日の2月28日に足や顔などを負傷し、暗殺の危険から居場所特定を避けるため、安全な場所に避難しているとされる。
 声明では、米イスラエルへの報復の一環として行っている中東の周辺諸国への攻撃は「今後もやむを得ず継続する」と強調。周辺諸国とは良好な関係を望むとしつつも、「敵が地域の支配を目的に構築した軍事・経済拠点がある。軍事基地がイランへの攻撃に利用されており、われわれの標的はそれだけだ」と主張。「近隣国はわが祖国の侵略者に対する立場を明確にすべきだ」として、米軍基地などを即時閉鎖するよう呼び掛けた。
 モジタバ師は、米イスラエルとの戦闘を巡り「これまで限定的に復讐を果たした」と成果を誇示。ただ、「完全に復讐を成し遂げるまでは最優先事項だ」と訴え、トランプ米政権が求める無条件降伏を拒否する姿勢を鮮明にした。
 一方、トランプ米大統領は12日、SNSへの投稿で、軍事作戦で原油価格が上昇すれば「世界最大の産油国である米国は莫大(ばくだい)な利益を得る」と強調。ただ、それよりも「はるかに重要なのは、イランが核兵器を保有し、中東と世界を破壊するのを阻止することだ」と訴えた。
 また、イスラエルのネタニヤフ首相は12日、作戦開始後初の記者会見で、これまでの作戦により「中東のパワーバランスが変化している」と述べ、イランの弱体化が進んでいると訴えた。 
〔写真説明〕イランの新最高指導者モジタバ・ハメネイ師の声明を伝える国営テレビ=12日、テヘラン(EPA時事)

(ニュース提供元:時事通信社)