特定の組織に所属せず、単独でテロや凶悪事件を計画、実行する「ローン・オフェンダー(LO)」対策で、警察庁はトランクルームなどの貸倉庫業界や宅配業界に不審情報の提供を求める方針を決め、11日、全国の警察本部に各業者との協力体制を構築するよう通達を出した。
 LOは個人で銃器や爆発物を製造し、周囲とのつながりが希薄で把握しにくい。このため、重大事件の防止には異臭や異音といった「前兆」の早期把握が鍵になるとされる。
 トランクルームや貸しコンテナなど収納用のレンタルスペースは、火薬などの保管や作業場所に悪用される可能性があるという。同庁は管理人の巡回や利用客からの申告で不審な人の出入り、怪しい保管物、工作音などを把握した場合、警察に連絡するよう要請した。
 宅配業界には、配達先や荷物に不審点があれば通報するよう申し入れた。同庁は既に不動産業者や薬局、ホームセンターの業界団体にも同様の要請をしている。
 これまで、貸倉庫に暴力団関係の銃器や爆発物が保管されていたり、配達物を玄関先などに置く「置き配」を悪用し、空き家に特殊詐欺の被害金や違法な薬物を送らせて回収したりする事件も起きている。同庁はテロ以外の犯罪につながる情報も多いと見込んでおり、内容は速やかに関係部署で共有し、捜査に役立てる考えだ。
 情報提供は各警察署の警備課や警察相談専用電話「#9110」で受け付ける。同庁担当者は「犯罪の防止には市民の目が大切。どんな情報でも寄せてほしい」と話している。 
〔写真説明〕トランクルームなどの運営業者に不審情報の提供を呼び掛ける警察庁のチラシ(同庁提供)

(ニュース提供元:時事通信社)