1~2月の中国小売売上高は前年同期比で2.8%増だった。昨年12月の0.9%増から拡大したものの、低い伸びが続く。国家統計局の報道官は16日の記者会見で、雇用を改善させ、消費者心理のてこ入れを急ぐ方針を示した。
 中国を代表するビーチリゾートの海南島。海口の免税モールは2月下旬、多くの観光客でにぎわっていた。島は税の優遇措置が講じられており、本土よりも安く海外の商品を買うことができる。
 ただ、店内で目立つのは、買い物袋を持たない買い物客の姿だ。最新のスマートフォンを眺めていた女性は「免税価格といっても高過ぎる。見ているだけだ」と話した。
 中国ではかつて、家計の主な資産となってきた不動産の値上がりを背景に内需が拡大。ところが、2021年に不動産開発大手の中国恒大集団が事実上のデフォルト(債務不履行)に陥り、不動産バブルが崩壊すると、消費も鈍化。若年層の失業率も上昇傾向にある。
 政府は25年に自動車や家電の買い替え補助金を拡充。26年は旅行などサービス分野のてこ入れを急ぐ方針だ。だが、買い替え補助金は「需要の前倒しにとどまる」(専門家)との見方が大勢。サービス消費の活性化に向けた具体策もあいまいだ。
 海南島南部の万寧では夜、ビーチ沿いの道路で多くの若者が音楽に合わせて踊っていた。一方で、近くに立ち並ぶバーやディスコの客足はまばら。上海のIT企業で働いていたという20代の男性は、解雇されたばかりだと打ち明けた。「仕事がいつ見つかるかは分からない。将来のことは考えないようにしている」と嘆く。
 中国人民銀行(中央銀行)の最新の預金者調査によると、今後消費を増やすとの回答は2割にとどまっている。(海口=中国海南島=時事)。 
〔写真説明〕中国海南島の免税店でスマートフォンを見る買い物客=2月26日

(ニュース提供元:時事通信社)