【マニラ、バンコク時事】米イスラエルとイランの交戦に伴う原油価格の高騰が東南アジア各国を直撃している。原油のほぼ全量を輸入に依存するフィリピンでは26日、乗り合いタクシーの運転手らが政府に対策を求めてストライキを決行。他の国でも、ガソリン不足や学校の授業日短縮など影響が広がっている。
 フィリピンのマルコス大統領は24日、供給維持への懸念から「エネルギー非常事態」を宣言した。政府は省庁横断の委員会を設け、経済活動や国民生活に支障が出ないよう対策を講じる方針だ。
 しかし、庶民の足として親しまれる乗り合いタクシー「ジプニー」の運転手らは26日から2日間のストライキを開始し、燃料への免税措置や運賃の値上げ、石油産業の国有化などを訴えた。
 マニラでジプニーを運転するトニー・プラドさん(53)は「史上最悪の石油危機だ。このままでは運転をやめざるを得なくなる。家族が飢えてしまう」と語った。セルソ・ノボラさん(55)は「政府は、巨大企業が法外な石油価格で国民を苦しめているのを許しているだけだ」と怒りの声を上げた。
 タイ・バンコクのガソリンスタンドでは25日、給油機に「現在、ガソリンを輸送中です」と書かれた紙が貼られた。店員は「客から在庫を隠していると疑われ、口論になることもある」と嘆く。配達ドライバーの女性(37)は、給油できるガソリンスタンドを見つけるため5カ所を回ったといい、「仕事に支障が出るので心配だ。配達の合間に急いで給油している」と不安そうに語った。
 ラオスでは交通機関の混乱を受け、全国の学校の授業日を週5日から週3日に短縮する措置が始まった。ミャンマー軍事政権は、燃料節約のため公務員に週1日の在宅勤務を指示した。 
〔写真説明〕26日、マニラ首都圏ケソン市で、ストライキに参加するフィリピンの乗り合いタクシー「ジプニー」の運転手ら(ロイター時事)
〔写真説明〕タイのガソリンスタンドで給油を待つ人たち=25日、バンコク

(ニュース提供元:時事通信社)