2026/04/20
防災・危機管理ニュース
政府は中東情勢の悪化で燃料不足に見舞われたアジア各国に対し、総額で約100億ドル(約1.6兆円)に上る包括的な支援を打ち出した。原油や石油製品の調達を金融面で支えつつ、中長期的にサプライチェーン(供給網)の強靱(きょうじん)化を進める。特に、東南アジアは医療用にも使われる石油関連製品などの重要な供給源。支援は日本の経済基盤を強化することにもつながると判断した。
アジアは日本にとって、電子機器や自動車の部品など幅広い製品を作り出す供給網の「要衝」と言える。高市早苗首相は支援を表明した15日、「わが国はアジア各国とサプライチェーンを通じて密接に結び付いており、相互に依存する関係だ」と強調。「緊急対応」と「構造的対応」を盛り込んだ「アジア・エネルギー・資源供給力強靱化パートナーシップ(通称パワー・アジア)」を打ち出した。
支援策の柱は、資金力に乏しい現地企業が原油や石油製品を調達する際の国際協力銀行(JBIC)、日本貿易保険(NEXI)による信用補完。世界各国が代替エネルギーの調達に走って燃料価格が高騰しており、アジア企業の調達を金融面で支える。国際協力機構(JICA)を通じ、各国政府に緊急の円借款も行う。
中長期的な支援として、原油の備蓄・放出システムの構築や備蓄タンクなどのインフラ建設を支援する。液化天然ガス(LNG)やバイオ燃料などエネルギー源の多様化にも協力する。
近年、東南アジアには米国や中国が積極的に投資してきた。米国の関心が中東に向かう中、中国はエネルギー協力の姿勢をアピール。ロシアも「オイル外交」で接近し始めた。日本企業約1万社が進出する同地域が中ロとの関係を深めれば、日本は安全保障や貿易の面で不利益を被るとの警戒感が高まっていた。
〔写真説明〕首相官邸に入る高市早苗首相=15日、東京・永田町
(ニュース提供元:時事通信社)

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