観光名所として知られる佐賀県有田町の陶山神社そばにある遮断機のない「第3種踏切」で2025年8月、撮影のため立ち入った訪日外国人が列車にはねられ死亡する事故があり、運輸安全委員会は23日、「多言語による注意看板や、ピクトグラム(絵文字)による注意喚起で安全対策を推進することが望ましい」とする調査報告書を公表した。
 報告書によると、25年8月13日午後、JR九州佐世保線上有田―有田間を時速約50キロで走行していた列車(2両編成)の運転士は、踏切の約86メートル手前で立ち入りに気付き、非常ブレーキをかけたが衝突した。
 立ち入ったのは知人らと台湾から観光に訪れた女性=当時(55)=で、踏切の警報機で列車の接近に気付き、線路脇で列車を背にスマートフォンを構えていた。自撮りをしようとしたとみられ、汽笛を鳴らした際も振り向くことはなかったという。
 踏切は神社参道と階段の間にあり、白線などの塗装は経年劣化で見えにくくなっていた。安全委は「安全性向上のため踏切を廃止するのが望ましく、廃止できない場合は遮断機のある第1種踏切に改良すべきだ」と指摘。廃止が実現するまでの間、柵を設けたり、多言語による注意看板やピクトグラムによる注意喚起を行ったりし、安全対策を推進すべきだとした。 
〔写真説明〕ビートルズのアルバムジャケット写真を模したピクトグラム展の入り口=2025年7月、ロンドン

(ニュース提供元:時事通信社)