2026/06/04
防災・危機管理ニュース
日銀が今月15、16両日に開く次回の金融政策決定会合を軸に、政策金利を現在の0.75%から1%に引き上げる追加利上げを検討する方針であることが3日、明らかになった。中東情勢が一段と混乱するリスクは後退しているものの、原油価格が高止まりしてインフレが加速する懸念が根強いことが背景。サプライチェーン(供給網)の寸断などで、景気が悪化する恐れがないか見極めた上で最終判断する。
植田和男総裁は同日夕、東京都内で講演し、景気の不透明感がある中でも2%の物価安定目標の実現に向け、「利上げの是非をしっかりと議論する必要がある」と語った。実際に利上げを決めれば昨年12月会合以来、4会合ぶり。原油輸送の要衝ホルムズ海峡は事実上の封鎖が続いているが、日銀幹部は「航行が正常化しなくとも利上げすることは可能だ」と指摘。封鎖が続いていても、石油関連製品の供給が途絶える恐れがなければ、利上げに踏み切る考えを示している。
植田氏は講演で、当面の金融政策運営について「経済の下振れを意識しつつも、物価上昇率が大きく上振れていくリスクが顕在化し、経済に悪影響を及ぼすことを、より警戒する必要がある」と述べた。また、「これまでの利上げで金融・経済活動は抑制されておらず、むしろ、緩和的な金融環境が経済をサポートしている」と指摘。その上で「必要な対応が遅れ、後で大幅な利上げを余儀なくされれば、景気や金融市場に大きな負荷をかける恐れがある」と語り、政策運営が後手に回ることへの懸念を強調した。
政府は、混乱する中東情勢に対応するための2026年度補正予算案を同日、国会に提出した。高市早苗首相は金融緩和を志向しているとされ、利上げを巡っては政権の理解を得られるかも焦点となる。首相は同日の参院本会議で、「金融政策の具体的な手法については、政府の補正予算編成の有無にかかわらず、日銀に委ねられるべきだと考えている」と語り、利上げをけん制しなかった。最終的に政府が利上げを容認すれば、日銀は今月の会合で政策変更に踏み切る公算が大きい。
〔写真説明〕日銀の植田和男総裁=3日、東京都千代田区
(ニュース提供元:時事通信社)

防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
-
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2026/07/14
-
-
AIによるメール監査で悪意なき不正リスクを事前に検知
昨今、企業の不祥事が多発している。不正会計や金銭の着服、独占禁止法で禁止される談合やカルテルなどが発覚することで企業の信用が失墜し、業績悪化にいたるケースが多い。企業の不正を防ぐ方法で有効なのが、社内のメールモニタリング(メール監査)だ。国際訴訟・不正調査のパイオニアであるFRONTEO(東京都港区)は、リーガルテック分野で培ったノウハウから自社開発したAIエンジン「KIBIT(キビット)」をコア技術に、メール監査で企業の不正リスクを検知するサービスを提供する。膨大な量の電子データから、どのように不正を発見し、未然に防ぐのか。代表取締役社長の守本正宏氏に話を聞いた。
2026/07/13
-
-
困難な工場のサイバーセキュリティ強化机上訓練で隠れていた現場力を発掘(参天製薬)
製造業にとって最も避けたい、売上に直結するサイバー攻撃による工場の稼働停止。しかし、セキュリティ対策の導入は工場ならではの困難があり、簡単にはいかない。参天製薬(大阪市北区、伊藤 毅代表取締役社長)は、サプライアーのランサムウェア感染をきっかけに、2017年から国内外の工場のサイバーセキュリティ対策を強化。工場との対話を重ね、着実に進めている。
2026/07/10
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2026/07/05
-
「情シス任せ」「コンサル任せ」では終わる
社会機能の維持に欠かせない業種でサイバーインシデントが相次いでいます。事業停止の影響は一企業のビジネスの域を超えサプライチェーン全体に波及。いまやセキュリティは経営の重要課題です。企業を取り巻くサイバーリスクと求められる対策について、日立ソリューションズの扇健一氏と辻󠄀敦司氏に聞きました。
2026/07/03
-





※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方