設置された太陽光パネルのイメージ(写真:Adobe stock)

太陽光発電設備の普及に伴って、廃棄が急増するリスクが懸念される太陽光パネルのリサイクルを、発電事業者に初めて義務付けるリサイクル推進法が5日、公布された。多量の太陽光パネルを廃棄する事業者に対し、廃棄してリサイクルする計画を国に届け出させて、審査する制度を創設するなどして、リサイクルするパネル量を拡大させていく狙い。今後、1年6カ月以内に施行されることになり、国はその間に、制度について詳しい検討を進め、政令策定などを通じて詳細を固めていく方針だ。

太陽光発電は、FIT(再生可能エネルギー固定買い取り制度)が始まった2012年7月以降に、全国的に急拡大した。パネルの耐用年数は20~30年とされるため、2030年代半ばからパネル排出量が急増し、2040年代前半にピークとなる年間50万トンの排出が推計されている。

個別のリサイクル法の枠組みで処理されている自動車や、エアコンなど家電4品目と同規模の排出量に拡大する見込みだ。

全国には施設のない自治体も

環境省によると、2025年11月時点で、使用済みパネル専用のリサイクル施設は全国で87施設に広がり、処理能力は年間13万トン。ただ、8府県には施設がないほか、急増する排出量に対しては全体の処理能力が不足しているなどの問題がある。

環境省などが議論を進めてきた太陽光パネルのリサイクル制度

また、現在、廃棄されるパネルの多くは、災害などで発生した一部にとどまっており、粉砕するなどして埋め立て処分されている。だが、現状のリサイクル費用では、発電容量当たりの単価が、数倍程度高くかかってしまうことなどが課題となっているという。頑丈に製造されたガラスに付いた接着剤を除去するには高度な技術が必要だったり、設備の稼働率自体が低かったりすることなどが要因だ。

今回のリサイクル推進法で、対象になるのは事業者が多量に廃棄する際に限られているが、事業者は廃棄の30日前までに廃棄する重量や処分方法などを示した計画を国に提出。環境相、経産相の両大臣の審査を受ける必要がある。

著しく不十分だとみなされれば、計画の改善などの勧告や命令を受ける。命令に違反した場合は罰則も課せられる仕組みだ。