2026/09/11
防災・危機管理ニュース
【ニューヨーク時事】2001年の米同時テロから25年―。犠牲者を悼む「9.11追悼記念博物館」によると、米国の人口の約3分の1にあたる約1億人が、事件を直接記憶していない世代になっている。事件の記憶はどのように受け継がれているのか。ニューヨークの世界貿易センター跡地にある慰霊碑を訪れた若年世代に話を聞いた。
ニューヨーク州バファロー在住で、当時1歳だったリッキー・サイファーさん(26)は、同時テロ事件を「9月11日は悲惨な日。でも翌12日は全国で皆が支え合い、愛を伝え合った日だ」と受け止めている。両親から聞いた事件直後の「団結」は印象的だった。「同じ国に住むお互いを愛することを学ばなくては」と力を込めた。
事件は強い「団結」をもたらしたが、その後の「対テロ戦争」や監視体制の強化、長期化する戦争などへの疑問で、米社会の深刻な政治的・社会的分断へとつながった。市内の大学に通うウエストさん(18)は「家族や友人の間にも分断が入り込んでいる。しかし事件を思い起こすことは私たちをある意味で一つにする」と話す。
テロの実行犯がイスラム教徒だったことから米社会では反イスラム感情や偏見が大きく高まり、現在のトランプ政権もイスラム圏からの入国を一部制限している。
ウエストさんは、異なる文化や政治的意見を持っていても、「争うことなく共に生きていけること」を小さな日常の行動によって示していきたいと語った。
ボストン出身の大学生ジョーダン・ブリンカーさん(18)も、「上の世代が特に中東出身者に対して持つようになった偏見が、今も続く大きな課題」と感じている。「政府だけでなく、一般の人々もそういった課題に対して日々できることがあるはず」と語った。
追悼施設は世界各地から訪れた人々で混み合っていた。市内で新生活を始めたばかりで、初めて足を運んだというリリ・ブレタスさん(18)は、「ここにはあらゆる背景を持つ人たちが、命を失った人たちに敬意を払うという一つの目的のために集まっている」と感嘆。「こういう形で人々は一つになることもできる」と希望を込め、自分たちも事件について次世代へ語り継いでいくとの決意をあらわにした。
〔写真説明〕米同時テロで崩壊した世界貿易センター跡地の追悼施設を訪れる人々=7日、ニューヨーク
〔写真説明〕米同時テロで崩壊した世界貿易センター跡地の追悼施設を訪れる人々=7日、ニューヨーク
(ニュース提供元:時事通信社)


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