画像を拡大 「対話型AIエージェント」機能を利用している画面(JX通信社提供)

ニューステックベンチャーのJX通信社(東京都千代田区)は、SNS情報などをAIで収集、分析して災害などのリスクを検知するシステム「FASTALERT(ファストアラート)」に、企業のリスク対応アクションを支援するレポートが作れる新機能「対話型AIエージェント」を搭載させ、9月からサービス提供を始めた。リスクに対して企業が初動対応する際に、社内で意思決定する議論の判断資料などとして活用できる機能。「防災のために生成AIが、意思決定をサポートする時代が到来する」(同社データプラットフォーム部長の藤井大輔氏)ことを先取りしたサービス展開だ。

FASTALERTは2016年9月にサービス提供を開始した。SNS上に投稿された動画や写真、文章情報などから、蓄積した独自のAI技術などで、社会問題化しているフェイクニュースやデマといった偽・誤情報を排除。リアルタイムに様々なリスク事象として検知する。事故、火災、事件、災害といったリスクを網羅する約100種類に分類して、地図上の表示に落とし込むなどして情報提供している。

投稿から情報提供まで、処理にかかる時間はわずか1分間ほどの速さだ。AIが処理するデータは、Xを中心とした複数のSNSで月間3000万件以上に達するという。全国にいる同社スタッフが常時、チェックする体制も整えている。

報道機関に浸透

「もともとは、報道機関の取材機能を支援する目的でつくったサービス」(藤井氏)だったため、テレビ局や新聞社といった報道機関などが災害や事故といったニュース事象を迅速に覚知できるシステムとして普及してきた経緯がある。すでに国内の大半の報道機関が採用し「報道業界の標準ツール」(JX通信社)となっている段階だという。

さらに、各地の災害対策の優先順位付けを判断する目的や、出動を見据えて活動の事前準備などに役立てる用途から、中央省庁や全国の自治体、警察、消防でも利用が進んでいる。

また、一般の民間企業などでは、全国に点在する自社施設の周辺情報を求めるニーズが浮上してきたという。