メディアと社会とワールドカップの盛り上がり
第29回:多様性に対する寛容度と鈍感度(1)
多田 芳昭
一部上場企業でセキュリティー事業に従事、システム開発子会社代表、データ運用工場長職、セキュリティー管理本部長職、関連製造系調達部門長職を歴任し、2020年にLogINラボを設立しコンサル事業活動中。領域はDX、セキュリティー管理、個人情報管理、危機管理、バックオフィス運用管理、資材・設備調達改革、人材育成など広範囲。バイアスを排除した情報分析、戦略策定支援、人材開発支援が強み。
2022/12/12
再考・日本の危機管理-いま何が課題か
多田 芳昭
一部上場企業でセキュリティー事業に従事、システム開発子会社代表、データ運用工場長職、セキュリティー管理本部長職、関連製造系調達部門長職を歴任し、2020年にLogINラボを設立しコンサル事業活動中。領域はDX、セキュリティー管理、個人情報管理、危機管理、バックオフィス運用管理、資材・設備調達改革、人材育成など広範囲。バイアスを排除した情報分析、戦略策定支援、人材開発支援が強み。
「ワールドカップサッカーが全世界で盛り上がっている」ともっぱら表現されるが、実態は全員が観戦しているわけではないことは自明である。しかし、スタジアム内外、パブリックビューイング、スポーツバーなどでの盛り上がりや大金星をあげた後の渋谷での騒動が報道されると、あたかも日本国民全員が注目しているかのように錯覚することもある。
そのような空気感の中、斜に構えた「日本代表の応援を強制されたくない」という僻みに近い発信も多数見受けられた。決して応援の強制など行われていないが、周囲の空気感で盛り上がりを感じると、そこに同調しなければならないという目に見えない圧力を感じるのだろうか。
同調圧力による脅迫観念であれば、日本では非常に強いとされる環境要因であり、長短あるだろうが、そのこと自体を認識するべきである。この空気感はメディアやネット空間のSNSなどで拡散し、拡散するがゆえにメディアが商業主義に則りさらに拡散して熱を帯びる。にわかファンが生まれるのもこの構造である。その環境下で取り残された人たちが疎外感を感じ、嫉妬的な感情で思わずマイナスの発言をしてしまう感情が働くのだろう。
本来であれば、個人の趣味嗜好は多様であり、自由であると同時に他に対しても許容するのが当然なので、自身の趣味嗜好と異なる内容で世間が盛り上がっていても、我関せず、ある意味鈍感でいるのが多様性に対して寛容な姿勢なのだが、人としての弱さでマイナス発信をしてしまうのは、ある意味情状酌量の余地はあるかもしれない。
質が悪いのは、この状況を悪用するかのように、政治的発信を目的として、被害者・弱者であるかのごときを演出した扇動や逆炎上商法的な発信も見受けられることだろう。この違いを見極め、情報として是々非々で向き合う必要がある。
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