長周期地震動は高層ビルの揺れに大きく影響する(写真は11日の東京・新宿区などによる防災訓練でドローンから撮影された西新宿エリア)

気象庁は20日、第12回「長周期地震動に関する情報検討会」を開催。高層ビルの揺れに大きな影響を与える長周期地震動について、階級3と4は緊急地震速報に含めて発信する方針を固めた。2017年度からシステム作りに着手し、2018年度以降に運用を開始する。

長周期地震動の階級は1~4に分かれており、3は立っていることが困難、4ははわないと動くことができないレベル。地震計のデータから推定して算出している。気象庁は2013年3月から長周期地震動の観測データを公表。2016年の熊本地震で初めて階級4を観測した。

現行の緊急地震速報は最大震度が5弱以上と予想された場合に、発生時刻や場所、震度4以上の揺れが予想される地域名が発表される。長周期地震動は震源地から離れた場所の高層ビルにも影響をおよぼすこともある。気象庁では警戒や注意を呼びかけ、安全性を高めるためにも長周期地震動についても速報が必要と判断。予測精度を高める観点から階級3以上を対象に決めた。

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