2026/09/18
防災・危機管理ニュース
中部電力浜岡原発(静岡県)の地震想定に関するデータ不正問題で、同社が原子力規制庁の調査を受け、不正を隠すため2度にわたり捏造(ねつぞう)データを資料として提出していたことが、同社の調査委員会がまとめた報告書で分かった。不正を示す証拠は出さずに済ませようとしていたことも明らかになり、同社の隠蔽(いんぺい)体質が改めて問われそうだ。
14日公表の報告書によると、規制庁は2025年5月、公益通報に基づき、同原発で想定する地震の揺れ(基準地震動)策定に関する調査を始めると中部電に伝えた。同社は不正を主導していた原子力土建部などに対応を任せた。
規制庁は5月の面談で、地震動評価や、ランダムに作成された地震波のうち平均に最も近い「代表波」の選定経緯を説明するよう要請。同社担当者は不正発覚を免れるため、委託先から過去のデータを大量に入手した上で、代表波が適切に選定されたように装う計算結果や図を作成した。
中部電は7月の規制庁との面談で、説明資料として計算結果や図などを提出した上で、虚偽の説明を行った。さらに9月に行われた同庁との面談で、全代表波の選定過程の説明も求められたため、再び同様の方法で計算結果などを作成。10月の面談時に出した。
規制庁はその面談で、代表波選定過程を確認するためとして、委託先の報告書原本を求めた。原本には不正の実施を示す記載があり、原子力土建部は原本を提出せずに済ませたいと社内のコンプライアンス本部に相談。同本部は11月の打ち合わせで、原子力土建部の対応は適切でないと指摘した。
11月に再び行われた打ち合わせで、原子力土建部は原本を提出すると浜岡原発審査の遅延や打ち切りのリスクがあるとして不提出を求めたが、受け入れられなかった。12月に林欣吾社長らに報告が上がり、同社長は「問題を知ってしまった以上、それでも問題ないと説明しきるか、できないのであれば正直に言う必要がある」などと発言。隠さないよう求めたという。
この後、原子力土建部が関与しない形で規制庁に不正を報告することが決まった。中部電は翌1月に不正を公表し、調査委を設置した。
〔写真説明〕浜岡原発の地震想定に関するデータ不正問題について記者会見し、頭を下げる中部電力の林欣吾社長(手前)ら=14日、名古屋市内
(ニュース提供元:時事通信社)

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