企業のサイバー攻撃被害に歯止めがかからない危機的な状況の中、政府は26日にサイバーセキュリティーに関する関係閣僚会議を開いた。来週にも緊急対策パッケージを取りまとめる方針だが、被害や手口の実態把握は手探りで、実効性のある対策につなげられるかは見通せない。
 「深刻な事態となっており早急な対策を強化していく必要がある」。高市早苗首相は同日の会議でこう強調し、関係閣僚に情報収集・集約を徹底し対応の検討を急ぐよう指示した。
 経済産業省では、高性能AI(人工知能)も活用した模擬的な侵入テストでシステムの弱点を発見する取り組みを急ぐ。専門人材を確保できていない中小企業支援に向け、相談窓口の拡充や情報提供も進める。
 政府は今月上旬、攻撃が8月以降に増加しているとして、事業者にシステムやデータの適切な管理を求める注意喚起を行うなど対策に躍起だ。ただ、26日の関係閣僚会議も急きょ開かれたとみられ、ある中央官庁幹部は「(開催を事前に)把握していなかった」と述べるなど、対応が後手に回っている感は否めない。
 セキュリティーサービスを手がけるサイバーセキュリティクラウド(東京)によると、7~9月のサイバー攻撃検知数は累計10.7億件と、前年同期比1.8倍に増加した。AIにより攻撃が高度化する中、スピード感を持った対応がこれまで以上に求められる。 
〔写真説明〕26日、首相官邸で開いたサイバーセキュリティー関係閣僚会議で発言する高市早苗首相

(ニュース提供元:時事通信社)