2019/01/29
海外のレジリエンス調査研究ナナメ読み!
読者の皆様もご承知の通り、日本では安否確認システムの普及が進んでいるため、緊急事態におけるコミュニケーションというと、大規模地震のような災害が発生した場合の安否確認を思い浮かべる方が多いのではないかと思われる。しかしながら本調査で対象としているのは地震のような突発的な災害だけではなく、気象災害、サイバーセキュリティに関する事案、事故や不祥事など様々な事象を幅広く対象とした、状況把握、従業員への警報、関係者どうしの連絡、危機管理広報などを含む、緊急事態における総合的なコミュニケーションである。
読者の皆様におかれても、自らの組織で様々な緊急事態を網羅的にカバーできる緊急事態コミュニケーションのための仕組みが用意されているか、それがどのくらいの時間で稼働するかなど、本報告書の内容と照らし合わせてレビューしてみてはいかがだろうか。
■報告書本文の入手先(PDF32ページ/約2.6MB)
https://www.thebci.org/resource/emergency-communications-report-2019.html
注1)BCIとはThe Business Continuity Institute の略で、BCMの普及啓発を推進している国際的な非営利団体。1994年に設立され、英国を本拠地として、世界100カ国以上に8000名以上の会員を擁する。http://www.thebci.org/
注2)本報告書の2014年版については、紙媒体の『リスク対策.com』vol. 48(2015年3月発行)の連載記事「レジリエンスに関する世界の調査研究」第7回で紹介させていただいた。また2016年版については本連載の2017年6月27日掲載分(http://www.risktaisaku.com/articles/-/3158)で、2017年版については同じく2017年12月28日掲載分(http://www.risktaisaku.com/articles/-/4475)で、それぞれ紹介させていただいた。
注3) 英語ではemergency notification systemもしくはmass notification systemなどと呼ばれ、事故や災害などが発生したことを、多数の関係者にメールやSMSなどで自動通報するシステムの総称。機能としては日本で普及している安否確認システムに近いが、安否確認よりも、緊急事態が発生したことを多数の従業員に知らせたり、緊急対応チームを招集したりすることを主目的として開発されている。
注4)2017年版で「緊急事態コミュニケーション計画」を持っているという回答が既に86%に達しており、しかも2014年以降ほとんど変化がないため、調査する必要性が低いと判断されたのであろう。
(了)
- keyword
- 世界のレジリエンス調査研究ナナメ読み
海外のレジリエンス調査研究ナナメ読み!の他の記事
おすすめ記事
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2026/06/30
-
-
-
W杯に水を差したDAZN契約プラン表示が原因で大炎上
世界最大のスポーツイベントであるサッカーのW杯が6月12日に開幕。日本は1勝1分けで決勝トーナメント進出を大きく引き寄せている。その裏でW杯の視聴契約を巡ってSNSで大炎上していたのが、スポーツコンテンツの配信会社であるDAZNだ。W杯の全試合を視聴できる年間契約プラン表記に問題があり、13日にお詫びを発表した。しかしその対応も反感を買い、炎上は継続。最終的には年間プラン自体を取り下げた。DAZNの何が問題だったのか、消費者問題に詳しい住田 浩史弁護士に聞いた。
2026/06/23
-
-
-
-
企業の副業解禁とコンプライアンス対策を支援
企業の副業解禁の流れが加速している。従業員は本業以外の労働を増やすことで、収入増が見込める。従業員が副業で獲得したスキルで、本業への貢献も期待できる。企業側にとっても、副業は採用活動に活用できる。業務発注から関係を深めてからの転職や採用後のミスマッチを防止する効果がある。一方で、副業の一般化に伴い、同業他社での競業や情報漏えい、ブランド毀損、過重労働など、副業リスクは増加している。フクスケ(東京都千代田区)は、企業の副業制度の運用支援に加え、副業コンプライアンス向上に関するデータを分析し、リスク診断サービスも提供している。代表取締役社長の小林大介さんに、企業の副業解禁がもたらす影響について話を聞いた。
2026/06/12
-
-








※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方