本州全域について250メートルメッシュの高解像度でリスク評価する。

気象予報や防災・危機管理事業などを展開する日本気象は、クマによる被害の軽減を目的として、AI技術を活用し、人の生活圏におけるクマとの遭遇リスクを地図上に面的に評価した「クマ遭遇リスクマップ」を提供する。植生、地形、気候といった多様な環境データと、自治体が公表している過去のクマ出没情報を組み合わせて、クマの出没しやすい環境パターンを学習する機械学習モデルを構築して作成したもの。

同マップでは、ツキノワグマの主要な分布域である本州全域について、「クマとの遭遇リスク」を250メートルメッシュの高解像度で評価。過去の出没地点の情報だけでなく、周辺環境の類似性から出没確率を推定することで、これまで出没の実態が把握されていない地域においても潜在的なリスクを面的に評価し、地図上に可視化する。

同マップは、クマの「生息地そのもの」ではなく、「人とクマとの遭遇が発生するリスク」に焦点を当てて作成されているため、「人の生活圏における遭遇リスクマップ」として、日常生活における注意喚起に活用できる。一方、普段から人が立ち入ることが少ない山林内などは相対的にリスクが低く評価されることから、登山や山菜取りなどで山へ立ち入る際には利用できないという特徴がある。

同マップでは、クマの行動が季節によって変化し、遭遇リスクも一年を通じて一定でないことから、月ごとの相対的なリスクも分析する。例えば10月は、人里に近い平野部や谷筋でリスクが高くなる傾向や、ドングリなど山の餌が不作の年には餌を求めて人里へ出没する傾向が強まることを反映した解析結果となる。

同社は今後、クマの被害対策に貢献する「出没予測情報」の開発や、本州以外の地域を対象とした開発を目指す。

プレスリリース

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リスク対策.com 編集部