図1はサプライチェーンの途絶が発生した場合に、それをどのレベルまで報告するかを尋ねた結果の変化である。「Firm-wide reporting(会社全体に対する報告)」および「Reporting within certain departments(特定の部署の中での報告)」とも、いずれも微増であり変化が分かりにくいが増加傾向だと見て良いであろう。

写真を拡大 図1.サプライチェーン途絶をどのレベルで報告するか(出展:BCI / Supply Chain Resilience 10 Year Trend Analysis)

また図2はサプライヤーのBCPが機能するかどうかチェックする方法を尋ねた結果の変化である。年によって設問や選択肢が異なっているようで単純比較できない部分もあるが、「机上演習(Desktop exercise)」および「合同演習(Run joint exercises)」が特に直近の3年で増加傾向にあることは注目に値すると言えよう。BCMに関する国際規格であるISO 22301および22313や、BCIが発行しているGood Practice Guidelinesにおいて、BCPの有効性を確認するために最も有効な方法として演習が位置付けられているから、これがサプライヤーのBCPのチェックに使われるというのは理にかなっており、この増加傾向は今後も続くであろう。

一方で「何もしていない(None)」が依然として半数近く残っており、この10年間であまり変化が見られないが、この部分をどれだけ減らしていけるかが今後の課題であろう。

写真を拡大 図2.サプライヤーのBCPが機能するかどうかチェックする方法(出展:BCI / Supply Chain Resilience 10 Year Trend Analysis)(注:複数回答のため数字の合計は100%にはならない)

BCIではここ数年でスタッフがかなり入れ替わったため、このような調査を担当するスタッフも変わり、調査の視点や分析のしかた、そのまとめ方などに変化が見られる。しかしながらこのような調査が継続的に行われるのは大変貴重であり、継続的なデータからしか分からないことも多い。今後も調査が継続されることを期待したい。

■ 報告書本文の入手先(PDF40ページ/約1.4MB)
https://www.thebci.org/resource/supply-chain-resilience-10-year.html

注1)BCIとはThe Business Continuity Instituteの略で、BCMの普及啓発を推進している国際的な非営利団体。1994年に設立され、イギリスを本拠地として、世界100カ国以上に8000名以上の会員を擁する。http://www.thebci.org/

注2)本報告書の2013年版については、紙媒体の『リスク対策.com』vol.42(2014年3月発行)の連載記事「レジリエンスに関する世界の調査研究」第1回で紹介させていただいた。また 2009~15年までの7年間の調査結果を総括する記事を、同連載の第14回(vol.55/2016年5月発行)に掲載していただいた。さらに本報告書の 2016~18年版については、本連載で次のとおり紹介させていただいた。
2016年版:2017年9月26日掲載分 http://www.risktaisaku.com/articles/-/3778
2017年版:2017年11月15日掲載分 http://www.risktaisaku.com/articles/-/4141
2018年版:2018年11月27日掲載分 https://www.risktaisaku.com/articles/-/12986

(了)