2019/06/17
地域と企業のBCP
被災すれば危険物施設の事故も増加する
大規模な自然災害が発生すれば、私たちの住まいや身近な道路など公共施設が被害を受けるのと同様に、全国に多数ある危険物施設も被害を受けます。
過去の災害時の状況を見てみると、阪神淡路大震災の発生した平成7年では当該年に発生した事故総数の32.1パーセントが、東日本大震災の発生した平成23年では28.7パーセントが災害に起因する事故となっています。
両年ともに災害が発生したことによって、約1.4倍の危険物の事故が発生していることになります。
どうでしょう。私はデータを整理して、「えっ、そんなに多いの?」とあまりの多さに正直驚きました。
自然災害はピンポイントで起こるのではなく、ある一定の範囲で被害が発生しますから、その範囲の中には全国に約41万ある危険物施設が入っていても、もちろんおかしくありません。
なのに自然災害というと、地震の揺れによる建物の倒壊、洪水や津波による家屋の流失など直接的な被害ばかりが頭に浮かびませんか?
街歩きで危険な場所をチェック!
例えば、前回の連載でご紹介した地区防災計画を策定するプロセスでよく行われるのが、地域の防災マップ作りです。防災マップを作る過程で街歩きをしますが、小さなお子さんから年配の方まで参加できるとても楽しいイベントになるので、私は大好きです。
街歩きをする時のチェックするポイントとしては、災害時に危険な場所(高いブロック塀や柵のない用水路など)や役に立ちそうなもの(防災倉庫、公衆電話など)などが一般的でしょう。歩きながら地図にその場所をプロットし、写真を撮って、得られた情報を皆で持ち寄り1枚の大きな地図にまとめていきます。

その地図を見ながら災害が起こった時にどうなるか、みんなで想像して話し合い、お互いが不安なことを共有していくことで、助け合いの機運が生まれてきます。
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