2016/12/04
誌面情報 vol58
特集 1
オリンピック警備のために動員された要員は、オリンピック史上最大規模の8万5000人に上る。
日本と違い、連邦制国家であるブラジルの警備体制は複雑だ。警察だけでも、連邦警察、州警察に加え、各州の軍警、さらには国家治安部隊(フォルサ・ナシオナル・ジ・セグランサ)と呼ばれる特殊部隊が存在する。国家治安部隊はブラジル全州から選抜された州警察、軍警、消防で構成される混成組織で、連邦警察で特別な訓練を受け任命を受けた者9600人が全州に配置されている。五輪期間中はこのうち約6000人の国家治安部隊が招集され、競技会場やリオ市内の警備に当たった。ここに陸・海・空の軍隊、さらに民間警備員が加わる。
こうしたさまざまな組織が連携して、オリンピックの安全確保にあたれるよう、ブラジルでは2009年のオリンピック開催決定時から、制度や組織面における整備を進めてきた。
まず、オリンピック大会の開催を決定する公式文書の中に、ブラジル政府として、大会の警備運営に関する連邦、州、地方自治体の調整に責任を持つことを明記した。この目的を達成するために、ブラジルは、法務省の直下に、大規模イベントにおける安全管理特別事務局SESGE(Special Secretariat forSafety and Security at Major Events)を設置。2015年9月には、今回のオリンピック・パラリンピックに向けた戦略的統合警備計画SISP(Strategic Integrated Security Plan)を発表し、五輪期間中における関係機関の使命・任務、行動の領域、戦術的な運営計画などを明確にした。
さらに、SESGE では、主要なイベントにおいて、関係機関が連携した指揮統制を行えるよう統合コマンド・コントロール・システムSICC(Integrated Public Security Command and Control System for Major Events)を構築し、それに基づき、大規模イベント中に国家と地域レベルが連絡を取り合いながら対応にあたれるよう統合コマンド・コントロール・センター(CICC:integrated centers of command and control sector)を首都ブラジリアとリオデジャネイロなどの主要都市に整備した。
誌面情報 vol58の他の記事
おすすめ記事
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2026/04/07
-
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2026/04/05
-
-
-
ドンロー主義の顕在化に揺れる世界
アメリカとイスラエルが2月28日、イランへ大規模な軍事作戦を開始。イランは徹底抗戦する構えで、中東全体を巻き込む紛争に発展しました。早期停戦が待たれるも、長期化の可能性も依然濃厚。アメリカ政治に詳しい上智大学教授の前嶋和弘氏に、トランプ政権の思惑と今後の軍事行動に影響を与える要因を聞きました。(インタビューは3月16日)
2026/03/30
-
引き合い急増する「セキュリティソムリエ」
ソフトバンクのグループ企業でIT商社のSB C&Sは2021年から、サイバーセキュリティ市場の多様化に対応するため販売パートナーへの支援活動を展開。商社の情報力・目利き力を生かしてSIerやベンダーの提案力を補強し、その先のユーザー企業へ最適なソリューションを届けています。「セキュリティソムリエ」と銘打った活動のねらいを聞きました。
2026/03/30
-
-
-






※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方