■状況がつかめず右往左往する駐在員

以下、ある日本人責任者コミュニティーのSNSに投稿された生の声を紹介いたしましょう。

・従業員が出社できていない。客先も混乱しており、いつ出荷するか分からない。移動制限が地方によって違っており、納品に影響がある。経済活動が動いていないので、自宅勤務をしても案件が進まない。どうしたものか。
・国や省、市の行政単位で制限や対策が施行されるなら理解できるが、鎮(町)や村、小区単位でさまざまなルールや検疫が施行されており、余計な業務が増えて困っている。また駐在派遣員と異なり、会社理由で中国に滞在しているわけではない「現地採用日本人」への一時帰国の線引きが難しい。
・マスクや消毒剤などの防疫必需品の確保ができない。正常化の時期が見通せない。
・生産活動のための部材集約(サプライヤーの未再開)、物流、サービス機能の停滞。
・プロジェクト中の工事現場再開の目処が立たないので待機費用が発生する。また発注業者などが稼働しないために製作ができない。すでに客先は稼働しているが、弊社は稼働日程が未定。どれほど納期遅れがでるか未だに分からない。
・グループ製造7社、管理営業12拠点にてマスク保有在庫が約40日分。中国はおろか日本や欧米のグループ会社においてもインフルエンザ対応などで中国に支援できるほどの数が調達できない状況。
・浙江省のリスクレベルが中途半端なかたちで引き上げられたが、企業としては対応方法に混乱している。
・中国政府が公表する情報に対して、言語の面で完全な理解ができず、情報が錯綜していて正しい情報収集ができない。
・業務再開も出社できない社員が多い。物流が動いていないため仕入メーカーも生産ができていない。
・従業員がすべて地方籍で上海に戻って来られない。戻ってきても居住区で自宅待機を求められ出勤できていない。中小企業としては経営継続に危機感がある。
・顧客も、ほとんど稼働していないので、受注もないし、受注済案件の入金も年末分からほぼなし。売上がなく、売掛の回収ができないなかでは給料の支払いが難しい。仕入れ先への支払いや事務所賃料も厳しい状況である。

いかがでしょうか? 皆さんはこんな状況の中、現地の責任者としての責務をまっとうされる自信はありますか?