中国で電力の供給制限が広がっている(写真:写真AC)

■日本の報道は局地的な状況のみに特化

毎年10月1日は、中国では国慶節と呼ばれ、この日を境に1週間の連休となります。ただ、連続1週間の休みとするため、中国では「振替出勤日」なるものが制定されており、今年は連休前の日曜日である9月26日と連休後の土曜日である10月9日が出勤日とされました。日本では「振替休日」という言葉をよく聞きますが、「振替出勤日」にはさすがに文化の違いを感じます。

さて、今回は日本でも先月末より多くのメディアで取り上げられている中国国内における「電力使用制限政策」について私見を述べたいと思います。

当社は日系企業のためにこのようなエネルギー関連、環境関連の情報を日々収集分析しており、お客様のニーズに応じた情報提供を行っています。そのため今回は、日本で報道される内容とはちょっと異なった観点から、今回の政策の裏側を紹介します。

まず、中華人民共和国は23省・5自治区・4直轄市・2特別行政区に分かれ、計34の一級行政区が存在します。そしてそこにほぼ13億人の人間が生活しています。生活インフラの要である電力については、さまざまな発電所からの電力が全国に広がる電力網により提供されていますので、そもそも十把一絡げで様相を語るのは無理があります。

日本での報道は日本企業が進出している地域の局地的な状況を大げさに取り上げるものが多く、実状を反映していない感が否めません。従いまして、今日は広く浅く中国全国ではどんな状況なのかをお伝えし、最後に今後の予想をしてみたいと思います。