第17回:ライフラインや材料・部品に関する被害の確認
自社の製造・サービス提供への影響確認がポイント

本田 茂樹
現在の三井住友海上火災保険株式会社に入社、その後、出向先であるMS&ADインターリスク総研株式会社での勤務を経て、現職。企業や組織を対象として、リスクマネジメントおよび危機管理に関するコンサルティング、執筆活動を続ける一方で、全国での講演活動も行っている。これまで、信州大学特任教授として教鞭をとるとともに、日本経済団体連合会・社会基盤強化委員会企画部会委員を務めてきた。
2020/04/15
中小企業の防災 これだけはやっておこう
本田 茂樹
現在の三井住友海上火災保険株式会社に入社、その後、出向先であるMS&ADインターリスク総研株式会社での勤務を経て、現職。企業や組織を対象として、リスクマネジメントおよび危機管理に関するコンサルティング、執筆活動を続ける一方で、全国での講演活動も行っている。これまで、信州大学特任教授として教鞭をとるとともに、日本経済団体連合会・社会基盤強化委員会企画部会委員を務めてきた。
前回は、大きな地震に見舞われたときに生じる、建物・設備に関する被害の確認について説明しました。今回は、自社の製造・サービスを提供するに当たって不可欠なライフラインや材料・部品に関する被害の確認と、その後の対応について考えます。
(1)被害想定を踏まえておく
大規模な地震が発生した場合、電力・ガス・水道というライフラインは、広範な地域でその供給が停止すると考えられます。
まず、自社がある地域で起こり得る大地震の被害想定を踏まえて防災対策を進めることが必須です。その上で、実際の被害に見舞われた場合は、自社の製造・サービスの提供に必要な各種ライフラインがどの程度使えるのかを速やかに確認することが重要です。
例えば、首都直下地震では次のような被害想定が出されています(表1)。
(2)電力・ガス・上下水道の使用可否を確認する
特に製造業など電力・ガス・水道の供給が業務に不可欠である場合、まずそれぞれのライフラインがどの程度使えるか確認します。事務作業が中心となっている企業においても、社内のさまざまなシステムを稼働させ、パソコン・スマホを継続して使用するためにはどのくらいの電力が必要であるか、事前に把握しておくとよいでしょう。
ライフラインの確認に当たっては、次の点にも注意します。
自社の要員で解決できない障害が発生している場合は、ライフライン事業者(電力会社、ガス会社および水道局)や設備管理会社に支援を要請します。
平常時にライフラインを担当している従業員が、被災時にも必ず現場にいるとは限りません。平常時からライフライン事業者および設備管理会社の連絡先とそれぞれの契約番号などをリスト化し、職場全体で共有しておくことが重要です。
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