第26回【最終回】:まとめ 防災活動の必須ポイント
認識しないリスクには備えられない
本田 茂樹
現在の三井住友海上火災保険株式会社に入社、その後、出向先であるMS&ADインターリスク総研株式会社での勤務を経て、現職。企業や組織を対象として、リスクマネジメントおよび危機管理に関するコンサルティング、執筆活動を続ける一方で、全国での講演活動も行っている。これまで、信州大学特任教授として教鞭をとるとともに、日本経済団体連合会・社会基盤強化委員会企画部会委員を務めてきた。
2020/08/19
中小企業の防災 これだけはやっておこう
本田 茂樹
現在の三井住友海上火災保険株式会社に入社、その後、出向先であるMS&ADインターリスク総研株式会社での勤務を経て、現職。企業や組織を対象として、リスクマネジメントおよび危機管理に関するコンサルティング、執筆活動を続ける一方で、全国での講演活動も行っている。これまで、信州大学特任教授として教鞭をとるとともに、日本経済団体連合会・社会基盤強化委員会企画部会委員を務めてきた。
これまで25回にわたり、中小企業が防災活動に取り組む際に押さえておくべきことを「これだけはやっておこう」という視点で説明してきました。最終回となる今回は、そのまとめとして防災活動の必須ポイントを説明します。
防災活動では、災害に見舞われた場合でも、その被害を最小限にして事業を中断させないこと、そしてその後円滑に事業を復旧・継続することを目指して準備します。
しかし、準備をするためには、どのようなリスクに対して備えるべきかを理解しておく必要があります。つまり自社の弱点を見つけ、それを認識した上で準備することが極めて重要です。
2011年3月に東日本大震災が起こった後、国は首都直下地震および南海トラフ巨大地震に関する被害想定を見直しています。
水害についても、2015年に水防法が改正された結果、ハザードマップを作成する基準が変わり、想定される最大規模の洪水(1000年に1回程度)での浸水区域図を作成することとなりました。
自社拠点の被害想定についても、このような国の被害想定の見直しが反映されたものになっているか確認しておきましょう。
自社の被害想定を見直す際に重要なことは、大きな災害が発生したときに起こり得る自社の被害をより具体的に示すことです。
自社の被害想定は、自社の建物・設備や従業員、そしてライフラインのどこに被害が発生するか、つまりどこが弱点であるかを見つけることです。もしこの段階で自社の弱点を発見できなければ、その対策を立てることもできず、弱点を抱えたまま災害に見舞われることになります。
社内各部門の協力を得て、事務所、倉庫、そして製造現場などで自社の落とし穴となるようなところを見逃さないことが重要です。
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