2020/04/23
日本企業が失敗する新チャイナ・リスク
■中国進出企業にとって対岸の火事ではない
どうでしょうか?読者の皆さんはどう思われたでしょう? 「中国ビジネスって厄介だな」と思われた方も多いかも知れません。しかし、中国の土地を借り、中国の人材を活用させてもらい、商品を製造する限りにおいては、中国の法律に従うことは当然のことです。それを日本式の常識ややり方で云々するのは間違いではないでしょうか。
この案件の話をよくよく聞いてみると、中国人の環境管理本部長は何度も日本人総経理(現地法人社長)に事の重要性を訴えていたにも関わらず、日本人総経理はそのことを聞き流していたというのです。
要するに、中国政府の査察による指摘は突然ではなく、その前兆は自らのスタッフから情報としてあがっていたというのが事実です。
このような実例から察するに、早い時期に中国に進出した日本企業の現地法人の多くが、前述のような「工場開設時からの隠れた問題」を抱えている可能性を否定できません。勤務経験の長い優秀なスタッフとの緊密な情報共有は非常に重要な業務といえるでしょう。
中国に進出した日系企業の経営も慣れが出て、中だるみ、惰性感が拭えない企業も散見されます。今一度初心に戻って、再進出の気持ちで総点検を行うべきと見ております。
今回のコロナウイルス禍を契機として、皆様の事業のBCM(事業継続マネジメント)強化をお勧めします。
日本企業が失敗する新チャイナ・リスクの他の記事
おすすめ記事
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/09/16
-
-
ラストワンマイル問題をドローンで解決へBCPの開拓領域に挑む
2025年4月、全国の医療・福祉施設を中心に給食サービスを展開する富士産業株式会社(東京都港区)が、被災地における「ラストワンマイル問題」の解消に向けドローン活用の取り組みを始めた。「食事」は生命活動のインフラであり、非常時においてはより一層重要性が高まる。
2025/09/15
-
-
機能する災害対応の仕組みと態勢を人中心に探究
防災・BCP教育やコンサルティングを行うベンチャー企業のYTCらぼ。NTTグループで企業の災害対応リーダーの育成に携わってきた藤田幸憲氏が独立、起業しました。人と組織をゆるやかにつなげ、互いの情報や知見を共有しながら、いざというとき機能する災害対応態勢を探究する同社の理念、目指すゴールイメージを聞きました。
2025/09/14
-
-
-
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2025/09/05
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方