国交省は既存ダムを有効活用し、支出を抑える

国土交通省は27日、既存ダムの最大限有効活用をうたった「ダム再生ビジョン」策定後初のダム改修新規事業採択に向け、3件の手続きを開始すると発表した。雨竜川ダム(北海道雨竜郡幌加内町)、矢作ダム(愛知県豊田市、岐阜県恵那市)、早明浦ダム(高知県長岡郡本山町、土佐郡土佐町)。いずれも治水機能能の増強を図る。

6月に国交省が策定した「ダム再生ビジョン」では厳しい財政制約の中、既存ダムの活用を推進。かさ上げによる貯水量拡大や放流設備の増設といった改修で、経済的に機能強化を行う方針を示している。

雨竜川ダムでは第2ダムを2mかさ上げし、発電用の容量を洪水用に振り替え、洪水用の貯水量を増やすことで洪水による浸水被害の軽減を図る。矢作ダムは矢作川の改修に併せ、放流設備を増設。早めの放流で大雨の際のダムの貯水容量を確保し、治水を強化する。早明浦ダムも吉野川の改修に併せ放流設備を増設。さらに利水用の容量を洪水用に切り替え、洪水時の浸水被害軽減を図る。

国交省ではまず道県から意見を聴取。その後に学識経験者などからなる第三者委員会から意見を聞き、評価結果をとりまとめ2018年度予算要求に反映させる予定。

■ニュースリリースはこちら
http://www.mlit.go.jp/report/press/mizukokudo05_hh_000033.html

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(了)

リスク対策.com:斯波 祐介