2017/09/22
防災・危機管理ニュース
国土交通省は中小河川の水位観測強化へコストを抑えた水位計普及を図る。21日、「危機管理に対応した水位観測検討会」の第1回会合を神奈川県横浜市の京浜河川事務所新横浜出張所で開催した。低価格水位計の最低限決めておくべき基準について検討を進める。
水位計はオーダーメイドであったり、専用回線を敷設する必要があったりなど、設置に数千万円のコストがかかることが多い。このため都道府県や市町村が管理する中小河川での導入が進んでいない。例えば2016年の台風10号で大被害を受けた岩手県では水位観測所数は82カ所あるが、管理河川数が312河川に対し、水位観測所未設置は245河川。雨量計を含むシステム全体の年間の維持管理費用は5400万円。観測所設置費用は1カ所あたり2000万円という。
この日の会合では水位計の低コスト化、長寿命化、メンテナンスフリー化に向け、運用体制、観測設備、技術基準、データ整理、データ形式、システム運営について決めておくべき事項を国交省が提示。水位の計測制度は1cm単位とするのか、水位の観測頻度や洪水時・平常時のデータ送信頻度、データの形式、データ送信に二重化を求めるかなどが事項として挙げられた。
出席した委員からは「データ整理は一律ではなく河川によって変えてもいいのでは」「堤防の整備状況なども基準には影響する」「データ送信二重化は大河川ではすべきだが、中小河川では必ずしも必要ないのでは」といった、河川規模や場所の特性に応じた対応も必要との意見が出た。
国交省ではこの会合が行われた出張所そばにある鳥山川で、100万円以下の水位計を用いた実証実験も行っている。また都道府県に水位計の総点検と回答も求める方針。検討会では12月に低価格水位計の基準案をまとめる方針。
■関連記事「国交省、低コスト水位計普及へ実証実験」
http://www.risktaisaku.com/articles/-/3662
(了)
リスク対策.com:斯波 祐介
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2026/08/05
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2026/08/04
-
-
-
-
令和8年熊本地震 猛暑の被災地で熱中症を避ける
最大震度7を記録した令和8年熊本地震。熊本県内では400超の避難所が開設され、約9千人が避難している(29日時点)。真夏の避難生活は、熱中症の危険性を確実に高める。しかもこれからは、猛暑・酷暑下での復旧活動が本格化し、多くの人々が被災地で活動する。現地で熱中症をどう防いだらいいか。熱中症と災害医療に詳しい、さいたま赤十字病院高度救命救急センターの席 望医師に対策を聞いた。
2026/07/30
-
令和8年熊本地震 広がるデマ、どう見分ける?SNSとの向き合い方
28日に発生した最大震度7を記録した熊本地震では、早くも豪華寝台列車「ななつ星」が脱線したなどのデマ情報が広く拡散された。災害のたびに、広くSNSで拡散される情報にどう向き合えばいいか。デジタル空間の情報分析を専門とする Japan Nexus Intelligence の竜口七彩氏に聞いた。
2026/07/29
-
-
事例研究で有事に備え、組織の体質改善で形骸化を防ぐ
組織レジリエンスの強化やサイバーセキュリティーの向上、サプライチェーンの強靭化など、危機管理やリスク管理担当者が関与する領域は年々拡大している。変化する社会状況にあわせ、担当者はどのように学び、備え、対応することが求められるのか。森総合研究所代表の森健さんは、自治体と企業で危機管理担当者としての経験を積み、現在はコンサルタントとして、企業や団体の危機管理の支援を手がけている。自身の経験を踏まえ、危機管理の担当者にどうアドバイスしているのか、話を聞いた。
2026/07/27
-






※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方