新型コロナウイルス感染症の影響で、各国で需要が高まる酸素。写真はニューデリーでコロナ患者用に充填された酸素(写真:Shutterstock)

2021年8月現在、新型コロナの感染者は急増し、自宅療養中に酸素投与を行う事態になっています。酸素は空気中に約21%の濃度で存在し、人間が生命を維持するために必要な物質です。濃度が低下すると、約8%で失神し、7分から8分以内で死に至ります。そのため、酸素濃度が低下した場合の災害を防止するため、労働安全衛生法に基づき酸素欠乏症等防止規則が定められています。

一方、高濃度の酸素は呼吸困難の症状改善のため投与されますが、有害な物質であることは広く知られていません。もちろん、空気中で不燃性の物質でも可燃性にし、可燃物を激しく燃焼させる危険性もあります。

 

高濃度で酸素中毒も

映画「ガメラ2レギオン襲来」(1996)の前半、札幌大通公園の作戦指揮所内の状況説明のシーンで「酸素は我々が生きるために必要不可欠なものであるため、つい見過ごされがちですが、実は毒物であるということを充分に留意する必要があります。高濃度の酸素を長時間吸い続けると喉の痛み・咳・呼吸困難などの中毒症状が表れます」とのセリフがあります。

高濃度の酸素を吸い続けると酸素中毒になる場合があります。長時間吸い続けることにより発症し、痙攣や意識喪失等を引き起こし、最悪死に至ります。また、赤ちゃんが保育器のなかで一定以上の酸素濃度に曝されると失明する場合があります。そのため、酸素投与は医師の指示で行われますので、酸素は処方される薬と同じであり、勝手に使用量(流量)を変えてはいけないのです。