厚生労働省が30日発表した2022年度の労災補償状況によると、仕事での強いストレスによる精神障害に対する労災認定は710件に上った。前年度比81件の増加で、4年連続で過去最多を更新した。パワハラが労災の原因として認められるという認識の広がりが、認定件数の押し上げに影響したとみられる。
 精神障害と認定された原因は、「上司などからのパワハラ」が147件と最多。「事故・災害の体験・目撃」(89件)、「仕事内容・量の変化」(78件)が続いた。
 精神障害を理由とした労災の請求件数も2683件と過去最多。厚労省は、企業にパワハラの防止措置を義務付ける改正労働施策総合推進法の施行などを通じて、パワハラの問題が「労働者に周知された」と背景を説明した。 

(ニュース提供元:時事通信社)