【イスタンブール時事】ロシア支配下のウクライナ南部クリミア半島とロシア本土を結ぶ自動車・鉄道橋「クリミア橋」で17日未明(日本時間同日午前)、爆発があり、タス通信などによると、車で通行していた夫婦2人が死亡、娘1人が負傷した。ロシア当局は爆発について「ウクライナによるドローン攻撃だ」と主張している。
 ウクライナの一部メディアは「ウクライナ情報機関などの特別作戦だった」と報道。ロシア外務省のザハロワ情報局長は17日、ウクライナと共に「米国と英国が攻撃の決定に直接加わった」と根拠を示さずに訴えた。
 英BBC放送(ロシア語電子版)は17日、SNSの情報を基に「橋の一部が損傷を受けた可能性がある」と伝えた。ロシア本土側で「(橋の方から)爆発音が2回聞こえた」という証言も紹介した。水上ドローンが使われたという情報もある。
 クリミア橋では昨年10月にも爆発が起き、一部が崩落したが、その後復旧していた。
 ウクライナの反転攻勢にもかかわらず、クリミア半島には最近、夏季休暇を過ごすロシア人が車などで押し寄せ、ロシア海軍の揚陸艦も通行を支援した。親ロ派の「クリミア共和国」トップのアクショノフ首長は「橋の通行を避け、安全上の理由から(占領したウクライナ東・南部の)陸路を選択するように」と呼び掛けた。 
〔写真説明〕「クリミア共和国」トップのアクショノフ首長=2019年2月、モスクワ(EPA時事)
〔写真説明〕17日、一部が損傷したクリミア橋=地元メディアの映像より(ロイター時事)

(ニュース提供元:時事通信社)