2023/12/21
防災・危機管理ニュース
警察庁は21日、安倍晋三元首相銃撃事件を受け、インターネット上などで銃の製造方法を解説し、不法所持をあおる行為について規制する方針を明らかにした。罰則も整備する。また、長野県で警察官ら4人が殺害された事件を踏まえ、猟銃の一種「ハーフライフル銃」を所持できる要件を厳しくする。同庁は銃による凶悪事件対策を盛り込んだ銃刀法改正案を来年の通常国会に提出したい考えだ。
安倍元首相を銃撃した山上徹也被告(43)=殺人罪などで起訴=は「ネット上の動画を見て学んだ」などと話し、自宅で複数の銃を製造したとされる。同庁は、銃製造や譲渡に関するネットの情報を問題視。不法所持をあおったり、そそのかしたりする悪質な投稿などに罰則を科す方針だ。
山上被告が製造した銃7丁のうち1丁は形状から、「拳銃等(小銃、機関銃)」に該当せず、罰則が比較的軽い「その他銃(装薬銃、空気銃など)」として立件された。検討案では、形状要件を満たしていない自作銃でも、人の殺傷を目的とした所持であれば、「拳銃等」と同じ罰則を科すことができるよう加重規定を設ける。さらに、現行は「発射罪」の対象が「拳銃等」に限られるため、猟銃や「その他銃」にも拡大する。
猟銃規制も強化する。5月に長野県中野市で4人が殺害された事件で、青木政憲被告(32)=殺人罪などで起訴=は警察官1人の殺害にハーフライフル銃を使用したとされる。同銃の所持許可要件をライフル銃と同等まで厳しくする。
現在、ライフル銃の所持には「継続して10年以上の猟銃の所持許可を受けていること」など厳格な基準があるが、ハーフライフル銃は初心者でも許可申請を出すことができる。散弾銃より射程が長く命中精度も高いため、警察庁は青木被告のように悪用するケースを想定し、規制強化が必要と判断した。
(ニュース提供元:時事通信社)
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