最大震度7を観測した能登半島地震で、警察や自衛隊、消防などは3日も行方不明者の捜索を続けた。石川県内では、これまでに73人の死亡が確認されたが、家屋の倒壊現場などで救出作業が難航しており、被害の全容は分かっていない。
 岸田文雄首相は3日午前の非常災害対策本部会議で、捜索などに当たる自衛隊の態勢増強を表明。防衛省は要員を1000人から2000人に倍増した。
 死者の内訳は、輪島市39人、珠洲市23人、七尾市5人、穴水町と能登町が各2人など。県内の355カ所に避難所が開設され、約3万3000人が避難した。
 輪島市で約200棟、約4000平方メートルが焼けたほか、珠洲市や能登町でも火災が発生したが、おおむね鎮火した。輪島市と珠洲市では家屋の倒壊が多数報告されており、自治体が被害状況の確認を急いでいる。
 北陸電力によると、3日午後3時35分時点で約3万3300戸が停電している。断水も各地で発生しており、自衛隊などが給水支援を実施した。
 石川県は4日朝にかけ、低気圧の影響でやや強い雨が降る所がある見込み。気象庁は土砂災害に警戒し、突風や落雷に注意するよう呼び掛けている。輪島市と穴水町、志賀町には大雨警報を出した。
 地震は1日午後4時10分ごろ発生。震源は石川県能登地方で、同県志賀町で最大震度7を観測した。その後も余震が続き、3日は未明に珠洲市、午前に輪島市で震度5強を観測した。
 気象庁は同地方に一時、東日本大震災以来となる大津波警報を発令し、輪島市で1.2メートル以上の津波を観測した。津波で流失した家屋も多数あるとみられるが、自治体は被害の全体像をつかめていない。 
〔写真説明〕1階部分を中心に壊れた家屋=3日午前、石川県珠洲市
〔写真説明〕大規模火災で建物が焼け落ちた観光名所「輪島朝市」付近=3日午前、石川県輪島市
〔写真説明〕大規模火災で建物が焼け落ちた観光名所「輪島朝市」付近で手を合わせる女性=3日午前、石川県輪島市
〔写真説明〕倒壊した家屋と住民=3日午前、石川県珠洲市

(ニュース提供元:時事通信社)