能登半島地震の被災地で降雪による冷え込みが続く中、被災した工場や生活インフラの企業は8日、設備の復旧作業を進めた。地震発生から1週間がたち、工場は生産再開の動きが拡大。ただ、電力・通信各社では、被災各地の道路寸断が復旧に深刻な影響を及ぼしており、収束のめどは立たない。
 経済産業省によると、被災地に生産拠点を持つ大企業や中小企業など300社超のうち、約7割が生産活動を再開したか、再開する見込みが立っている。半導体メーカーのサンケン電気は、石川県内のグループ会社で従業員数人の安否が確認できないが、出勤可能な従業員が復旧作業に取りかかっている。
 ガソリンスタンドに関しては、斎藤健経産相が8日の記者会見で「大型タンクローリーでの輸送が継続できれば、給油を待つ行列や販売量の制限は数日中に解消できる」と述べた。
 電力の復旧は、配電設備の損傷が大きい石川県輪島市と珠洲市が、道路寸断の影響で難航している。北陸電力によると、石川県内の停電は、8日夕時点で約1万6000戸(前日夕は約1万8000戸)となった。
 携帯電話の通信障害も続く。総務省の8日午後時点の集計では、石川県内の大手4社の基地局は、停電などの影響で計527局が停止(前日午後時点は544局)。電話やデータ通信が利用しづらい状況だ。 

(ニュース提供元:時事通信社)